あみ〜ちぇ

「ユニバーサルかぎ針あみ~ちぇ」が生まれたきっかけは、一人の編み手の方との出会いでした。

彼女は、脳血管障害による片麻痺があり、軽い認知症もありました。昔、編み物を楽しんでいたものの、病気になってからはやめてしまっていました。外出もしたがらなくなったことを心配した家族が、あみ~ちぇの現代表の平田さんに声をかけたのです。

手編み講師として活躍していた平田さんは、元看護師ということもあり、病気や障がいを抱えた方に、編み物を教えることが多かったのです。

もう一度、好きな編み物をするという喜びを、その方から平田さんは強く感じました。

ただ、かぎ針を落としてしまったり、うまく毛糸が操れなかったりなど、大変さもありました。その様子をみながら、手先が不自由な方が上手に編むことができるようなかぎ針があったらなと考えました。

 様々調べたものの、これまでにそうした編み針をつくっているメーカーはなさそうでした。大手メーカーでは、お客が少なくて取り組む対象にならない。中小メーカーでは、開発の手間に比べた収益を考えると難しい。「それなら自分がやるしかない!」と平田さんは思い立ちます。2012年のことでした。

いざ、つくろうと思っても、専業主婦だった平田さんは、何から始めたらよいか、右も左も分かりませんでした。

しかし、平田さんのこのアイディアへの熱い思いが、さまざま助けてくれる人を呼び起こします。助成金の申請を手伝ってくれる人、協力を申し出てくれる工場、モニターに手を挙げてくれる編み物講師の仲間たちや障がい者の方々。

試作とモニターを繰り返すこと、その回数はなんと100回を超えました。ようやくたどり着いたのが、いまの製品の形です。

手先の不自由な多くの方々に使われるようになっていて、もう一度編み物をする喜びの声を聞くたび、平田さんは「想いが形になって、自分の子どもが活躍しているように感じて嬉しい」と語ります。そして、この商品を送り出すことは、子どもを結婚に送り出すような気持ちだとも言います。そんな心のこもった製品です。

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