でく工房

「会社の命令ではなく、大量生産ではできない、本当に喜んでもらえるモノをつくりたい。そして、それを生業として生きていきたい。」

エンジニア、デザイナー、彫刻を学ぶ美大生、三人の幼馴染の、モノづくりへの熱い思いから、でく工房は1974年に誕生しました。

「つくることで、直接、人とのつながりを持てるようなモノづくりをやってゆきたい。」

そんな彼らの願いは、ハンディのある子への道具づくりへとつながっていきます。

独立を考えたものの、何を仕事とするかも決まっていない、アルバイトでやり繰りする貧乏暮らしの中、同郷のよしみで面倒を見てくれていたお宅に太郎君という障がいのある男の子がいました。

水頭症によって体の麻痺があった彼と、三人が一緒に遊んでいる中で、彼が一人で立って遊べるように工夫された立位補助具を手作りしてあげました。 

手先が器用だった彼らの道具はたちまち好評を博し、歩行器やバススツールなど、太郎君のための道具を次々とつくっていきます。

どれも、これまでの市販のものでは大きすぎたり、体に合わなかったりしたため、太郎君の家族からは大変に喜ばれました。

「これだけモノが溢れている時代に、まだまだモノに不自由をしている人たちがいた。そして、つくることでこんなにも人に喜ばれる仕事があったのか」

三人は強い衝撃を受けました。

こうして、「でく工房」と「障がい者の使える道具づくり」がはじまりました。 

彼らのつくる道具が、太郎君が通院していた医療機関に通う親たちのあいだで評判となり、でく工房には、次々と新たな注文が入るようになります。

彼らの取り組みは少しずつ世間に広がり、賛同する仲間も現れていきます。

やがて、この工房で学んだ仲間が、全国各地で独立してこの仕事に取り組むようになり、日本各地へと広がっていったのです。

でく工房は、日本での障がい者の使える道具づくりの草分け的存在であり、その後も要となってこの業界を支えています。 

開設当初とは異なり、現在は一から手作りということは少なくなって、量産品もつくるようになっています。

しかし、その中でも、変わらないモノづくりの心があります。

それは「その人に合ったものをつくる」ということ。

でく工房がつくる製品には、使う本人に合わせるための工夫が詰まっています。

ぜひ、工房の心のこもった製品をお試しください。