ハッピーおがわ

江戸時代から300年続く呉服屋が、介護服の研究に乗り出したのが1980年代。当時の跡取り、小川意房さんが、祖父母に介護が必要になった時、着やすい服が見つからず、それならば自分自身で作ろう!と思い立ったことが始まりでした。

小川さんは自身で研究をして、ワンタッチで開け閉めできる前開きのズボン、ニットと布帛を組み合わせた伸び縮みしやすく着やすい上着、綿とポリウレタンをパイル状に編み上げて通気性と保温性と伸縮性を兼ね備えたソックスとサポーターなどを作りました。しかし、「祖父母が満足いくような最後を迎えることができなかったのではないか」という思いが、小川さんにとっての原点となりました。

着るものに困っている人のための衣服作りを!そういった人たちが幸福に、ハッピーになれるようにと、社号も「ハッピーおがわ」に変更し、小川さんは再び挑戦を始めました。赤ちゃんの衣服のデザイナー、衣服製作の学者の方々、繊維企業の研究者の方など、多くの方の協力をもらいながら、開発を進めていきました。

また、実際に試作した衣服を、介護現場の方々にも積極的に使ってもらいました。これは良い、あれは合わない、そういった現場の声を積極的に聞いて、またそれを製品の改善に繋げる。その中で、介護服の作成方法が一つのシステムとして出来上がってきました。相手方の要望を詳しく伺うーそれに適応した商品を数種作るー比較検討していただいた上で購入/返送を判断していただく。「サンプルシステム」というこの商品開発を経て、ハッピーおがわの商品は練り上げられてきました。

それから7〜8年の歳月を経て開発された綿ニット。綿を70%、ポリエステルを25%、ポリウレタンを5%配合しました。伸縮率は120〜150%に設定したもので、力の弱い人でも着脱しやすい数値です。出来上がった生地にさらに洗浄、防縮加工を施しました。そうすることで、洗浄乾燥の繰り返しにも耐えられる、強くて優しいハッピー生地が誕生したのです。

この生地を利用して、ハッピーおがわではエアスリム(手首から上腕にかけて覆うもの)、スパッツ(足の部分がないストッキング)、ソックスなどの製品をつくっています。

小川さんの想いのこもったハッピーおがわの製品を、ぜひお試しください。

Happy Ogawa’s work

ハッピーソックス

ハッピーソックス

「市販の靴下ではゴムの締め付けがきつい、なんとかなりませんか?」という声から開発しました。きつすぎず、ゆるすぎず、ほどよいフィット感を形にしました。できるだけ綿を多く入れることで、肌にやさしく、快適にお過ごしいただけます。