高级脑功能障碍:娱乐有效吗?

高次脳機能障がい:レクレーションは効果があるのか

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中後や交通外傷後の高次脳機能障がいがある方のリハビリ支援を行う中で、退院後に関わるデイサービスのスタッフやケアマネジャーの方へ指導させていただくことがあります。


指導内容は、退院後に利用する施設で行える高次脳機能障がいの症状に対するリハビリ内容をお伝えすることが多いです。


今回は、通所サービスで行いやすく、自宅でも取り入れやすい高次脳機能機能障がいの症状に効果があると報告されているさまざまなレクリエーションについてまとめていきたいと思います。


高次脳機能障がいとレクリエーションについて考えたとき、集団で活動することが、社会生活活動の可能性を広げるという一役を買っていると考えています。


入院中の高次脳機能障がいの症状に関するリハビリは、個室などで1対1で行うことが多いと思います。


入院中の高次脳機能障がいのリハビリは、急性期から回復期にあたるリハビリ内容を行うことが多く、神経の回復が著しく起こる時期であり、もっとも根本的なリハビリを行うことが多いのではないでしょうか。


退院後は、地域での公的サービスの実施状態で異なるかもしれませんが、1対1でのリハビリよりグループでのリハビリ実施の機会が増える状況だと思います。


集団での活動の中にはレクリエーションが含まれ、集団で活動するからこそ、ある一定の決まりの中でレクリエーションは行うので、高次脳機能障がいがある方々の社会性が回復していくと思っています。


これまで報告されている実施内容として、以下のものが挙げられています。


□ 社会技能訓練


□ スポーツ


□ 音楽療法


□ 料理・編み物


□ ドリル課題


□ レクリエーション(的当て、トランプ、釣り、ゲームなど)


上記のようなレクリエーションなどを通じて、さまざまな効果について報告されています。


◆ 社会参加の改善


◆本人と家族の評価の相違が減少


◆注意機能の改善(選択的注意、注意の容量、作業記憶)の改善


◆問題解決能力の改善


今回は、高次脳機能障がいに対するレクリエーションは効果があるのかという視点にてまとめました。


高次脳機能障がいは、入院中では1対1で支援していくことが多いのですが、退院後は1対1の支援からデイケアやデイサービスなどでの集団の関わりが増えていくと思います。


集団で行うレクリエーションについても、高次脳機能障がいの症状が改善したという報告がありますので、退院後に支援するケアマネジャーの方々にこのような内容をお伝えしています。


皆さんの毎日のリハビリ内容や考えに少しでも参考になれば幸いです。


引用・参考
1) 渡邉修 他:いわゆる高次脳機能障害者に対する 地域リハビリテーションの試み,認知神経科学; 7 (1): 59‒65, 2005.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninchishinkeikagaku1999/7/1/7_1_59/_pdf/-char/ja


2) 橋本学 他:高次脳機能障害者に対する社会復帰準備のための小集団訓練「リハビリテーション学級」の試み,The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine; 47(10): 728‒734, 2010

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/47/10/47_10_728/_pdf/-char/ja

3) Teresa Liu-Ambrose, Janice J Eng. Exercise training and recreational activities to promote executive functions in chronic stroke: a proof-of-concept study, Journal of Stroke Cerebrovascular Diseases. 24(1): 130‒137; 2015.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4486380/pdf/nihms4837.pdf

4) 渡辺 幸子 他:高次脳機能障害集団プログラムの効果について

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/2024191.pdf

5) 綿森 淑子 他:記憶障害のリハビリテーション. リハビリテーション医学 2005;42:313-319

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1963/42/5/42_5_313/_pdf

☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました.。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年9月25日のブログより転載させていただきました。

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