佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
先日、「失調症ってなんだろう」というタイトルで、簡単に運動失調について記しました。
失調症ってなんだろう
運動失調症については、確立したリハビリの方法は少ないのですが、脳卒中後の運動失調症の症状については、重錘を用いる方法や弾性包帯などが勧められています。
しかし、昨年公開された脳卒中理学療法ガイドラインでは、重錘や弾性包帯を勧める記述はありませんでした。
また、脳卒中理学療法ガイドラインでは、運動失調の評価についての記述はありましたが、具体的なリハビリについて言及されていませんでした。
このような現状ですので、改めて運動失調における重錘についてまとめようと思います。
重錘を用いる方法
出典:アマゾン
重錘バンドなどを手首や足首に巻き付けて、物を握って移動させる練習を行ったり、歩く練習などを行います。
手首や足首に重錘をつけることで、重さの感覚が手足に伝わり、感覚を賦活させることで運動を行いやすくします。
また、手首や足首に重錘をつけることで、手足が大きくぶれる動きを抑制します。
一般的には、手首につける重錘は250〜500g程度、足首につける重錘は500g〜1kg程度とされています。
重錘の使用については、基本的には、十分な評価の上で問題点を明確にし、従来から継承されている方法により、その問題が改善され、円滑な動作につながればよいと記している資料もありました。
運動失調に対するリハビリとして、重錘をつける方法は勧められていますが、はっきりとした根拠をみいだせませんでした。
最後に
今回、運動失調のリハビリに重りは有効かという視点で資料を探しました。
従来から用いられている重錘を使ったリハビリは推奨されているものの、具体的な資料はなかなかないという現状でした。
しかし、重錘を使うことで動きやすくなったり、動きのブレが少なくなる方もいらっしゃるので、これからもしっかり対応していきたいと思います。
引用・参考
1)筧 慎治 他:小脳失調のリハビリテーション医療.リハビリ医学 2019;56:94-100
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/56/2/56_56.94/_pdf
2)宮井 一郎:小脳性運動失調に対するリハビリテーションの有効性.臨床神経 2011;51:1129
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051111129.pdf
3)後藤淳:運動失調に対するアプローチ.関西理学 2014
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/14/0/14_1/_pdf/-char/ja
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年2月2日のブログより転載させていただきました。