踉跄问题

転倒について

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中後、自宅退院や施設入所が決まってから「病院ではたくさんの人が見守っているけど、自宅では1人だから転んだときにどうしよう」「入院中は、誰かが遠くでも歩いているところを見ているから安心だけど自宅ではちょっと心配」というお気持ちになった方がいらっしゃるのではないでしょうか。


わたしは職場で医療安全対策委員を拝命しており、2022年8月~2023年7月までの当院での転倒に関する調査を終えたばかりです。


当院ではさまざまなご病気やケガの方や状態の方がいらっしゃいますが、多くの方の転倒転落場所は「病室」で、次いで「トイレ」が多いという結果になりました。


先行研究では、回復期リハビリテーション病棟での脳卒中患者さんの転倒について調査し、入院1週間以内に転倒が多かったと報告しています。


時間は朝食前と夕食前後、場所はベッドサイド、トイレの順に多いという結果でした。


また、退院した患者さんの調査では、66%が転倒していました。


退院後の患者さんの転倒については、性別・麻痺側・疾患による転倒率には差がなく、65歳以上の患者さんの転倒率が高いという報告でした。


脳卒中後の転倒発生に関する調査は数多く論文化されています。


・歩行中の骨盤の移動が少ない


・麻痺側の足の出る量が小さい


・体幹の安定性が低い


などの、転倒発生に関する要因の報告がなされています。


転倒に関する身体状況に関することの把握はもちろんですが、転倒が起こりやすい時期や場所を把握し、予防に努めていきたいと思います。


引用・参考
1) 二瓶 美里 他:転倒の内的要因分析に基づく転倒頻度予測手法の提案.日本転倒予防学会誌 Vol.3 No.1:3-12 2016

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tentouyobou/3/1/3_3/_pdf/-char/ja


2) 猪飼 哲夫:高齢者・片麻痺患者の転倒とバランス機能.リハビリテーション医学 2006 ; 43 : 523 ― 530

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1963/43/8/43_8_523/_pdf


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年8月20日のブログより転載させていただきました。

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