佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後のリハビリを行なっていく中で、リハビリ室では上手くできることが、病室ではなかなか上手くできないことがあったのではないでしょうか。
また、退院後、自宅で出来るようにリハビリで取り組んだことをが上手くできなかった方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、リハビリ室と病室や自宅は環境が異なるので、動作を行う条件が異なります。
しかし、リハビリ室で出来るようになったことが病室や自宅で出来ないということになれば、困ってしまう患者さんはたくさんいらっしゃると思います。
リハビリ室で出来るのに、病室や自宅では上手く出来ない動作などについては、動作の実用性が低いのかもしれません。
今回は、動作の実用性について記していきたいと思います。
動作の実用性とは
実用性とは、5つの要素から構成されます。
5つの要素とは、「安全性」、「安定性」、「スピード」、「耐久性」、「社会に容認される」です。
安全性
動作が安全に遂行可能か 転倒しないかどうか
安定性
動作が一定の規則性をもって実施可能かどうか
耐久性
動作が継続的にどの程度遂行可能かどうか
速度
動作遂行の速度をみる
社会的容認 動作遂行の際のやり方を判断し、それが社会的に容認される方法であるか
出典:理学療法における評価の考え方と進め方
リハビリ室で行えるようになった動作を、日常生活場面で行えるようになるために、動作の実用性の5つの要素をしっかりと支援していきます。
動作の実用性を高めるために
動作の実用性を高めるために、リハビリではいろいろ工夫をしています。
例えば、トイレ動作について考えてみたいと思います。
リハビリ室のトイレやリハビリスタッフと一緒であればトイレができるけれども、なかなか病棟では定着しにくいという方がいらっしゃると思います。
まず、安全性については、トイレへの乗り移りやズボンの上げ下ろしなどで転倒しないようにバランス練習など行います。
また、動作が一定して行え、耐久性や速度も改善していくようにリハビリの時のトイレ動作の練習を行いますが、病棟スタッフと連携を図り、病棟でも日常的にトイレを行うように取り組んでいきます。
最後の5つ目は、社会的容認だったり応用と記してある資料がありますが、一般的なトイレ動作の方法で、病棟のトイレでも自宅のトイレでも行えるように環境が変わってもトイレ動作が行えるように支援していきます。
最後に
今回は、動作の実用性について記しました。
リハビリ室で行えるようになった動作を、日常生活場面でも行えるように、しっかり支援していきたいと思います。
引用・参考
1)鈴木 俊明:身の周り動作と生活関連動作を考える.関西理学 8:1-5 2008
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/8/0/8_0_1/_pdf
2)木村 貞治:理学療法における評価の考え方と進め方.理学療法学 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/47/1/47_47-1kikaku_Kimura_Teiji/_pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年4月6日のブログより転載させていただきました。