佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、手足の麻痺が重度であると立ったり座ったり歩いたりすることが難しくなります。
脳卒中後の手足の麻痺は、運動の命令が脳から伝わらなくなる運動麻痺だけではなく、手足の感覚が脳に伝わなくなる感覚の麻痺もあります。
感覚の麻痺があると、手足で何か触れた感じがわからなかったり、手足がどこにあるのかわからなくなったりします。
脳卒中後、自宅に退院してからさまざまな自主トレを行っていると思いますが、足の感覚麻痺に対する自主トレはなかなか実施が難しいのではないでしょうか。
今回は、自宅で出来る麻痺側の足裏に対する感覚トレーニングについてご紹介します。
麻痺側の足裏の感覚トレーニング
実施できる対象の方 ・車椅子や椅子に座ることが出来る方
・足裏の異常感覚がない方(何かに触れると痛みが出る方などのは行わない方がよい)
・麻痺側足に少し力が入る方や麻痺側足を動かせる方
・座った状態で麻痺側の足がぴーんと突っ張らない方
行う姿勢
椅子や車椅子に座って行います。
麻痺側の股関節がグラグラする方は、可能であれば麻痺側を壁に近づけて、股関節がグラグラして足が外側に倒れるのを防ぎます。
例えば、右側が麻痺側であれば、車椅子や椅子の右側を壁にベタづけするようなイメージです。
足裏の感覚トレーニング①
缶入りのフタの上に滑り留めマットを敷き、その上にボールを複数置きます。
使用するボールは、大きさを変えたり硬さを変えるとよいでしょう。
座った状態で麻痺側の足を上げることができる方は、麻痺側の足の力で足を上げて、ボールの上に足裏をつけます。
麻痺側足だけの力で足を上げることが難しい方は、麻痺していない腕で足を持ち上げてボールの上に足を載せます。
麻痺側の足の力だけで足を上げることが難しい方は、ボールの上に足を載せると、外側に足がぐらついたり足裏が前に滑る可能性があるので膝を麻痺していない手で支える必要があります。
ボールの上に載せた足裏で、ボールの大きさや硬さの違いを感じ取るように、足裏を少し前後に動かしたり左右に動かしたりします。
足裏の感覚トレーニング②
足裏を床に置いた紐などの上に置きます。
足裏の縦方向の中心や横方向の中心に紐が当たるようにします。
足裏のどこに紐が当たっているか感じ取りを行ったり、紐を境にして、前後左右どちらに体重が載っているか、足裏のついている面積はどうであるかなどをイメージしていきます。
なかなか足裏単独に注意を向ける機会は少なく、歩くときや立ち上がるときに足裏が床についている感じがわからない方に対して実施していただくことがあります。
紐などを用いて、足裏に意識を向けることで足裏の感覚の感じ取りがしやすくなる方もいらっしゃいます。
最後に
今回は、麻痺側足への感覚トレーニングについてご紹介しました。
全ての脳卒中後の方々ができる自主トレではありませんが、座っている姿勢が安定していたり、足に力を入れることが出来る方に行なっていただければと思います。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年11月3日のブログより転載させていただきました。