佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
ここ数回、生活期のリハビリに関することについて記しています。
https://ameblo.jp/aoi19780728/entry-12850177470.html
https://ameblo.jp/aoi19780728/entry-12850057477.html
今回は、生活期のリハビリの中でも、高次脳機能障害について記していきたいと思います。
生活期とは
救急病院や回復期リハビリテーション病棟を経て自宅に退院したり施設に入所している時期のことをさします。
脳卒中発症後180日までは医療保険でのリハビリ実施可能で、介護保険を利用していない方に限り180日以降は月13単位の回数限定でのリハビリ実施となります。
病院や施設の方針で異なるかもしれませんが、発症から180日過ぎた後のリハビリはスタッフと毎日行うことは難しいと思います。
しかし、日常生活の自立が困難な方の主な理由が高次脳機能障害である場合、発症から180日過ぎても医療保険でのリハビリが可能な場合があります。
治療継続により状態の改善が期待できると医学的に判断できる場合に限り、発症から180日過ぎても医療保険でのリハビリが可能というわけです。
この判断は医師が行います。
生活期での高次脳機能障害のリハビリの課題
Sohlbergら(2001)は1回1時間で週に3回の訓練を行ったを生活期の高次脳機能障害を持つ方の効果について報告しています。
しかし、発症から180日過ぎた後のリハビリは、入院していても外来リハビリに移行したとしても、週3回のリハビリは受けられません。
また、高次脳機能障害については、発症後から1年以内の積極的な訓練が有効で、ゆっくりとした回復ではあるが5年以上かけて回復を示すという考えが一般的になりつつあります。
しかし、入院期間中に、180日過ぎた後のリハビリについて特に言及されなかったり、入院中に見逃されていた高次脳機能障害が自宅退院後に現れる・気づくことがあります。
そのため、退院後に高次脳機能障害に本人・ご家族が気がついたとしても、どこに相談したらいいかわからないと言ったお声を見聞きします。
生活期の高次脳機能障害に対するリハビリの課題はたくさんあると思います。
ひとつづつ紐解き、入院している間にできることを行っていきたいと思っています。
引用・参考
1) 渡邉 修:回復期のステージにおける高次脳機能障害リハビリテーション治療. Jpn J Rehabil Med Vol. 58 No. 4 2021
2) 後藤 博:生活期リハビリで生活機能の維持・向上を. LIFE DESIGN REPORT 2022.10
https://www.dlri.co.jp/files/ld/205637.pdf
3) 矢作 満:生活期の高次脳機能障害者に対する宿題の定着化に向けたアプローチ. 行動リハビリテーション 第4巻 8-13頁(2015年3月)
4) 安永 佐知歌 他:地域にうもれた高次脳機能障害者への介入:一症例を通じた考察. 認知リハビリテーション Vol.25, No.1, 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cogrehab/25/1/25_2020.002/_pdf/-char/ja18/1/18_2013.004/_pdf/-char/ja
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年5月6日のブログより転載させていただきました。