佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、車椅子から立ちあがろうとしても前かがみになるのが難しくて真上に立たないといけなかったり、靴を履くために足に手を伸ばそうと思っても届かない方がいらっしゃると思います。
例えば、肩であれば服を着たり何かものを取ろうとしたときにバンザイする動きとして肩が動くことがイメージしやすいかと思いますが、股関節が日常生活の中で動くというイメージはしにくいのではないでしょうか。
股関節は日常生活動作の中では思った以上に曲げなければならないので、曲がる角度が少ないと日常生活の動きが困難になります。
脳卒中後の方々を対象にした研究ではないのですが、股関節を手術した方の動きをセンサーで観察したデータが報告したものがあります。
歩く時には約10度から50度程度股関節が曲がります。
立ち上がり動作では約105度程度股関節が曲がります。
特に立ち上がりは座っている状態から立ち上がるので、すでに90度程度曲がったている状態からさらに胴体を前屈みして立つので股関節が90度からあと10度程度曲げる必要があるのです。
靴紐を椅子に座った状態で結ぶ場合、股関節は約120度曲げる必要があります。
椅子に座って靴紐を結ぶ時は、胴体をかなり前かがみにして手を靴まで伸ばす必要があります。
その時には股関節は120度程度曲げなければならないということです。
日常生活動作を行うとき、さまざまな理由で行いにくい場合がありますが、バランスや筋力や麻痺側の手足の動き具合だけではなく、関節の動く範囲が少なくなっていることが理由である可能性もあります。
ご自身の動きに課題があるなと思ったとき、相談できるリハビリスタッフに尋ねていただければと思います。
引用・参考
1) Sah, Alexander P. :How Much Hip Motion Is Used in Real-Life Activities? Assessment of Hip Flexion by a Wearable Sensor and Implications After Total Hip Arthroplasty. The Journal of Arthroplasty (2022).
https://www.arthroplastyjournal.org/action/showPdf?pii=S0883-5403%2822%2900336-9
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年9月23日のブログより転載させていただきました。