佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、杖歩行が行えるようになったころ、10m歩行の速度を測る検査を行なったことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
10m歩行の速度を測ることは、比較的どの病院や施設でも行っていると思います。
10m歩行から導き出された速度は、転倒のリスクやどのような場所なら歩けるのかという指標になるので、わたしは歩くことができる方に対してはチェックするようにしています。
歩行速度からわかる歩行の自立に関することは、以下の速度がよく用いられています。
▶屋内移動にとどまる
0.4(0.49)m/sより遅い場合
→10m歩行にかかる秒数は約25秒より遅い場合
▶屋外移動可能であるが制限を受ける(平坦な道などにとどまる)
0.4(0.49)~0.8(0.93)m/sの場合
→10m歩行にかかる秒数が約13秒~25秒の場合
▶屋外移動可能
0.8(0.93)m/sより速い場合
→10m歩行にかかる秒数が約13秒より速い場合
このように大まかですが、どのような場所であれば歩行が自立できるのか目安があると、歩行のリハビリの中で目標が立てやすいと思います。
患者さんそれぞれの状態によっては、ゆっくり確実に歩くことを優先することもありますので、リハビリスタッフとともに、屋外で歩けることを目標にするのか、屋内で安全に歩くことを目標にするのか明確にしておくことが大切だと思っています。
毎日の臨床の中で、患者さんの状態と目標をしっかり把握しながら、日々精進していきたいと思います。
引用・参考
1) Classification of Walking Handicap in the Stroke Population
https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/01.STR.26.6.982
2) Predicting Home and Community Walking Activity Poststroke
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28057807/
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年10月4日のブログより転載させていただきました。