佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
現在、わたしはベッド数100床強の病院に勤務しており、主に神経内科対象の患者さんのリハビリ支援を行っています。
対象疾患は、脳卒中やパーキンソン病などの神経変性疾患です。
このブログでは、脳卒中に関する話題を中心に取り上げていますが、実際の臨床場面では脳卒中後以外の方々のリハビリ支援も行っています。
リハビリ支援をする中で、大切にしているこては、どんな疾患の方々であっても共通しています。
今回は、わたしがリハビリ支援をする上で大切にしていることについて記していきたいと思います。
症状をしっかり把握する
担当患者さんの症状をしっかり把握することは簡単なようですが、とても難しいと思っています。
リハビリスタッフの視点が狭いと、着目した点以外の症状を見落とす可能性があるので、まずは幅広い視点で症状を確認していきます。
特にリハビリスタッフの視点が狭いと、高次脳機能障がいを見落とす可能性が高いと思っています。
症状をしっかり把握するには、日々進歩する医学情報をキャッチして、新しい検査方法や解釈の視点を学び続けることが大切です。
目標を共有する
リハビリを行なっていくには、マニュアルに沿ったメニューをこなすのではなく、おひとりおひとりの目標にあったメニューを組み立てていきます。
リハビリの目標はおひとりおひとりで異なるので、患者さんと目標を共有しながら協働作業するパートナーとしてリハビリに取り組むことが重要です。
目標を共有するには、現状をしっかり把握することはもちろんですが、お体の状態を患者さんに説明して、リハビリの目標を口に出しやすい雰囲気で対応することが求められます。
目標を共有するには、傾聴の技術・共同意思決定の方法を学ぶ必要があると感じています。
説明は丁寧に
脳卒中後の方々は、体に何が起こったのか、これからどうなるのかわからず、不安なお気持ちの状態で入院して来られる方が多いです。
不安なお気持ちの状態のときに、言葉だけで説明しても、なかなかご理解が進まないことも。
脳卒中の病状に関することは主治医からMRI画像などを用いて説明がなされます。
リハビリ場面では、主治医から説明があったことを噛み砕いて説明することがありますし、絵に描いたりパンフレットを用いたりして、さまざまなことを説明していきます。
このブログで度々取り上げている、「お役立ち情報」の資料を用いたり、書籍を用いたりすることも。
説明を丁寧にしていくことは、リハビリに対して協働作業する上で重要だと思っています。
複数のリハビリ方法から選ぶ
リハビリの目標が定まったあとは、具体的なリハビリ内容を組み立てていきます。
具体的なリハビリ内容は、患者さんの目標や状態に合ったものを選んでいきます。
現在、脳卒中後のリハビリ方法は、さまざまなものが提唱されています。
より効果が高いもの、患者さんの好みに合わせたもの、病院や施設で実施可能なものを選んでいきます。
リハビリスタッフは、何かひとつのリハビリ方法にとらわれるのではなく、多くのリハビリ内容から患者さんに合ったリハビリ内容を選択できるように学ぶ必要があると思っています。
リハビリ方法を選んだ理由を説明する
「あなたはよいリハビリを提供できますか?」と患者さんから質問を受けたとき、リハビリスタッフのみなさんは説明ができるでしょうか。
「なぜ、あなたはこのリハビリ方法をわたしに行なっているのですか?」と患者さんから質問を受けたとき、リハビリスタッフのみなさんは説明ができるでしょうか。
リハビリ方法を選んだ理由をしっかり患者さんに説明することは義務だと思っています。
全ての脳卒中後の方々に合う万能なリハビリ方法はないと思っています。
不確実性が高い臨床場面の中で、いかにリハビリ方法を選んだ理由が説明できるかは、リハビリスタッフのスキルだと思っています。
だからこそ、リハビリスタッフは生涯学び続けなければならないと強く思っています。
最後に
今回は、わたしがリハビリの仕事をする上で大切にしていることについてしたためました。
これからも、研鑽し続けて、より良いリハビリ支援が行えるように進んでいきたいと思っています。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年10月24日のブログより転載させていただきました。