佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
普段の自身トレやデイケアでのリハビリで、膝の間にボールを挟んで足の筋トレを行ったり、膝の間にボールを挟んだまま立ち座りの練習を行う方法を実施している方がいらっしゃるのではないでしょうか。
▼ 膝の間にボールを挟んでいるところ
▼ ボールを膝の間に挟んで立ち座りをしている動画
一見、ベーシックなリハビリ方法ですが、脳卒中後のリハビリにとてもよい効果を生み出します。
今回は、ボールを膝の間に挟んで行うトレーニングについて記していきたいと思います。
膝の間に挟んだボールをつぶす
出典:自主トレばんく
ボールを膝の間に挟んで、ボールをつぶすトレーニング方法です。
近年の研究で、脳卒中後の立ち上がりで太ももの内側にある「内転筋」は、太ももの裏にある「ハムストリングス」より、お尻の筋肉「大でん筋」に似た働きをすることがわかっています。
立ち上がりの動きを重力に逆らって安定するために内転筋は働きます。
ボールを膝の間に挟んだまま立ち座りの練習
立ち座りのとき、膝の間にボールを挟むことで、前脛骨筋、大でん筋、中殿筋、ヒラメ筋の収縮タイミングが増加し、より左右対称的な立ち上がりのための力が発揮されます。
また、両足に集中力を分けながら立ち座りをおこなうので、健側だけに力を込めて立ち座りをすることが予防できると考えています。
最後に
今回は、ベーシックなリハビリ方法ですが、重要だと思っているボールを膝の間に挟んで行うトレーニングについて記しました。
お役に立てれば幸いです。
引用・参考
1) Wei-Chun Hsu et al. Increased hip adductor activation during sit-to-stand improves muscle activation timing and rising-up mechanics in individuals with hemiparesis. J Electromyogr Kinesiol. 2023 Apr.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1050641122001146?via%3Dihub
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年4月26日のブログより転載させていただきました。