佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
高次脳機能障がいは、見た目ではわかりにくく、本人も周囲の方もどのような症状があるかつかみにくいのではないかと思います。
高次脳機能障がいの分類は明確でも、実際に生じる行動がどのような高次脳機能障がいに当てはまるかわかりにくいのが現実ではないでしょうか。
高次脳機能障がいとは、以下に挙げている症状がでることがあります。
□ 記憶障がい:昔のこと、新しいことが覚えにくくなる
□ 注意障がい:集中力が低下したり、注意散漫になったりする
□ 遂行機能障がい:行動の目的に合わせて、行動の計画を立てて実行することが難しくなる
□ 社会的行動障がい:感情や行動のコントロールが難しくなる
上記に挙げた症状により、日常生活に支障がある状態が「高次脳機能障がい」です。
入院中に高次脳機能障がいの症状に気がつかなくとも、退院後に日常生活場面では以下のような点を周囲から指摘され高次脳機能障がいに気がつくこともあります。
◆ 約束の時間に間に合わない
◆ 記憶を補うためにメモを取ったり手帳に内容を書いても、メモや手帳がどこにあるか忘れてしまう
◆怒りやすくなった
◆ 長い間、同じ仕事を行うことができない
◆ 仕事のマニュアルが読めても行動につながりにくい
◆ 欲しいものを手当たり次第に買ってしまう
◆ ギャンブルがやめられなくなった
退院後に日常生活場面で気がつくようになった行動の変化は、脳卒中後の高次脳機能障がいが関係することが多いです。
自宅退院後、入院中は気にならなかったり、気がつかなかった高次脳機能障がいでお困りの場合は、脳卒中後の内服管理を行う主治医やリハビリスタッフにご相談ください。
入院していた病院のスタッフやケアマネジャー以外にも、各都道府県に設置されている「高次脳機能障害支援普及事業支援拠点」にご相談ください。
国立障害者リハビリテーションセンターの「高次脳機能障害情報・支援センター」のホームページには、各都道府県の「高次脳機能障害支援普及事業支援拠点」が掲載されています。
高次脳機能障害相談窓口
高次脳機能障がいに関連する公的サービスの案内や手続き、リハビリテーションや症状に対する対策などの相談が行えます。
退院後、ご自身の行動変化に気がついたり、生活のしづらさを実感したり、周囲の方々から行動について指摘された場合、主治医や最寄りの窓口などにご相談ください。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました.。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年9月22日のブログより転載させていただきました。