佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
これまでも、日常生活で麻痺の手を使っていくことの大切さについて、度々記事にしたためています。
麻痺手を積極的に使うということ。
日常生活で麻痺手を使う具体的な内容（トイレと整容）
脳卒中後の一般的なリハビリの時間は、入院期間中は2時間～3時間程度で、回復期リハビリテーションの基準によっては発症後2ヶ月以降は入院でのリハビリは2時間程度になる場合があります。
また、リハビリ時間の2時間～3時間の中には、理学療法・作業療法・言語聴覚療法の時間が含まれ、医師の指示の基に各療法の時間が決められますが、
麻痺手のリハビリを主に対応することが多い作業療法は1日に多くて1時間程度です。
入院中に病棟で麻痺手の自主練習をご自身で行ったり、病棟スタッフと共に行った経験がある方もいらっしゃると思いますが、現実問題としてリハビリ時のみしか麻痺を動かしていない方も多いと聞きます。
また、脳卒中後の患者さんがリハビリ室でできている動作を、日常生活で行っていない方が25～45％認めたという報告もあります。
リハビリ室で行える動作が、すぐに日常生活に反映できないことを示す報告だと思っています。
毎日の生活で麻痺手を使うには、しっかりとした意識づけが必要でしょう。
日常生活活動の中で、本人の能力の段階に沿った課題指向の自主トレを行っていただくことで、日常生活での麻痺の手の使用頻度と使用の質が改善したと報告があります
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□ テーブル拭き
台拭きの上に麻痺手を置き、指を伸ばした状態(反対の手で指を伸ばしてもOK)で行う。
□ カーテンの開け閉め
麻痺手の指を開いたり閉じたりが出来る方で、肩や肘が少し動く方向けカーテンを麻痺手で握って、肘の曲げ伸ばしや肩を動かしてカーテンの開け閉めを行う。
□ 洗濯ものたたみ
麻痺手の指を開いたり閉じたりが出来る方で、肩や肘が少し動く方向け麻痺手と反対の手との両手動作として行う。
□ スマホ固定
麻痺手の手のひらを天井に向けて、指を伸ばした状態(反対の手で指を伸ばしてもOK)にしてスマホを手のひらで支える。
□ 電気のスイッチを点ける・消す
麻痺手の指を意識的に伸ばした状態が保持できて、電気のスイッチの高さまで手を上げることができる方向け。
□ 歯磨き
麻痺手で棒状の道具を握れる方向け肩が動きにくい方は、肘を台などの上に置いて、手元だけ動かして歯磨きする方法もある。
□ さまざまな細かい実作業
麻痺手指が細かく動く方向け箸動作、鉛筆動作、ボタン留め、包丁操作、など安全に配慮して行う。
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毎日の生活の中で、麻痺手を実際に使おうという気持ちになるには、患者さんご自身が麻痺手でできることを把握することが大切だと言われています。
難しいことにもチャレンジすることは大切ですが、あまりにも難しくて失敗体験が増えると麻痺手の使用頻度が落ちる可能性もあります。
ご自身で麻痺手の状態が分かりにくいときは、担当しているリハビリスタッフに相談したり、このブログのコメント欄でよければ私がわかる範囲でお伝えします。
ぜひ、毎日の生活の中で、麻痺手で実作業頻度を確保していただければよいなと思っています。
引用・参考
1)Andrews K et al. :STROKE RECOVERY: HE CAN BUT DOES HE? Rheumatology and Rehabilitation, 1979, 18,4
脳卒中回復:彼はできるが、彼はそうする?
2) Harris JE, Eng JJ, Miller WC, Dawson AS. A selfadministered Graded Repetitive Arm Supplementary Program (GRASP) improves arm function during inpatient stroke rehabilitation. Stroke 2009; 40: 2123-8.
A selfadministered Graded Repetitive Arm Supplementary Program (GRASP) improves arm function during inpatient stroke rehabilitation. Stroke
3) Morris DM, Taub E, Mark VW. Constraint-induced movement therapy: characterizing the intervention protocol. Eura Medicophys. 2006;42(3):257-268.
约束诱导运动疗法：表征干预方案 - PubMed
Constraint-induced movement therapy: characterizing the intervention protocol
☆*:.｡. 最後まで読んでいただきありがとうございました .｡.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年9月19日のブログより転載させていただきました。
