佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、ご自宅に退院してから今まで使い慣れていたソファに腰掛けた後、なかなか立ち上がることができなかった方がいらっしゃるのではないでしょうか。
また、退院前に病院にあるソファで立ち上がる練習を行なったり、自宅のソファから立ち上がるときの注意点の指導を受けた方もいらっしゃるかもしれません。
ソファは椅子と違い、座るためだけが目的ではなく、くつろぐための家具のひとつであるため、ゆっくりと背もたれに体を預けたり、深く座ることが多いと思います。
そのため、深く座っている場合、立ち上がる時に胴体を大きく前に動かす必要があり、立ち上がりにくくなる方がいらっしゃいます。
▼ 我が家のソファからの立ち上がり
深く座った位置から立ち上がると、胴体が大きく前に動くのがわかると思います。
また、ソファの座面が柔らかいと、お尻の丸みで左右に体重が行ったり来たりして不安定な動きの中で立ち上がる必要があります。
しかし、退院後慣れ親しんだソファを使わないというわけにはいかない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
すぐにできる対策として、ソファに座る時に浅く座れるように、背もたれに硬めのクッションを用意していただくことがあります。
▼ 背当てとして硬めのクッションを背もたれに置いた状態からの立ち上がり
あらかじめ胴体が垂直に近い位置にあるので、立ち上がりのための胴体の動きが、上の動画と比べて小さいのがわかると思います。
▼ 背もたれに硬めのクッションを置いています
硬めのクッションをソファの背もたれに置いたり、クッションがない場合は、バスタオルを何枚か折りたたんで背もたれに置いていただくこともあります。
しかし、ソファから立ち上がるとき、クッションやバスタオルを用いても、なかなか立ち上がることが難しいこともあります。
そのような場合、可能であればソファに立ち上がり専用の福祉用具を設置することを提案しています。
出典:ダスキン
[たちあっぷ CKA-02] https://healthrent.duskin.jp/products/tesuri/A-6-2/index.html
出典:株式会社アットホーム
床に置くだけの設置が簡単な手すり
たちあっぷ CKA-04
たっちあっぷは、介護保険をお持ちの方ではレンタル対象です。
身体障害者手帳をお持ちの場合で、介護保険対象年齢でない場合も、「日常生活用具の給付又は貸与」の対象になる場合もあるので、市町村にお問い合わせください。
自宅退院後、慣れ親しんだ家具に囲まれて生活したいというお気持ちの方は多いです。
動きの工夫や道具の工夫で、生活しやすくなっていただけたらと思っています。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年5月15日のブログより転載させていただきました。