中风后平衡功能的变化

脳卒中後のバランス機能の変化

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中後、入院した後さまざまなリハビリを行い、その後はご自宅に退院したり施設へ入所することが一般的です。


入院中では十分なリハビリの時間が確保されていますが、自宅退院後や施設入所後は十分なリハビリの時間が確保できないことが多いのではないでしょうか。


脳卒中後の生活期の身体状況はどうなんだろうと疑問に思うことがあり、生活期の報告を調べていました。


そんな折りに、脳卒中発症直後から1年後までのバランス機能を追跡調査した報告に出会いました。


読み込んだ論文は、「A cohort study on longitudinal changes in postural balance during the frst year after stroke」です。


今回は、この論文を読んで思ったことを記していきたいと思います。


どのような論文なのか


脳卒中後の方々のバランスの状態について、発症から1年間追跡調査した報告です。


Berg Balance Scale(BBS)というバランスの評価を用いて、脳卒中発症後から5日後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、1年後のバランスの状態を調べています。


対象の脳卒中後の方々の状況は、軽症例77名・中等度例58名です。


追跡調査の結果は、軽症例・中等度例ともに発症から3ヶ月がバランスの回復が最大となっていました。




出典:A cohort study on longitudinal changes in postural balance during the frst year after stroke


発症から1年後を比較すると、中等度例で有意な回復を認めましたが、軽症例では有意な回復を認めていませんでした。


経過の特徴としては、中等度例ではバランスについては3ヶ月が回復のピークで、徐々にバランスの機能は低下していますが、発症当初と比較すると1年後のバランスは有意に回復していることでした。


論文を読んで思ったこと


脳卒中後、手足が動かしにくくなったり、手足の感覚が鈍くなることで、転倒の発生が出現することがわかっています。


手足の動きにくさや感覚の鈍さはバランス障害の要因のひとつです。


また、脳卒中による脳のダメージの部位によっては、姿勢調整の役割が失われて、バランスを整えることが難しくなります。


さまざまな要因が重なり、脳卒中後はバランスを崩しやすく転倒しやすいのです。


脳卒中後のバランスについては、回復の最大は発症から3ヶ月であることが、今回紹介した論文に記されています。


また、バランスが最大に回復したあとは、少しずつバランスに関する点数が徐々に下がっていくこともわかりました。


リハビリでは、最大に回復したバランス機能を、できるだけキープできるように支援することが大切だと思いました。


論文を読んで、脳卒中後はバランスを崩しやすく、転倒のリスクも高くなるので、自宅退院や施設入所後も、バランスに関するリハビリを継続することが大切だとわかりました。


リハビリ目的で入院しているときだけではなく、自宅退院後のバランス機能の状態を想定して、リハビリを行う必要があると思いました。


これからも、さまざまな論文を読み込んで、明日の臨床に応用したいと思います。


引用・参考
1)Buvarp D, et al.:A cohort study on longitudinal changes in postural balance during the frst year after stroke. BMC Neurology (2022) 22:324

https://bmcneurol.biomedcentral.com/counter/pdf/10.1186/s12883-022-02851-7.pdf


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年3月14日のブログより転載させていただきました。

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