佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、薬の投与やリハビリテーションによって、手足が動くようになったり立てるようになったり、動作が改善していきます。
脳卒中で脳内のダメージが大きいと、神経細胞のダメージも大きく、生命自体も危ぶまれる状態になる場合もあります。
骨折や手足の傷と異なり、脳卒中後の脳内の変化はわかりにくく、イメージしにくいのではないでしょうか。
出典:Predicting and accelerating motor recovery after stroke
上のグラフは、脳卒中後の脳内で起こる変化を表したものです。
グラフの横方向は時間経過、縦方向は最大回復を示しています。
脳卒中後、⑥細胞死、⑦代謝抑制、⑧軸索成長抑制が生じて、脳にダメージを受けた部分の神経細胞が機能しなくなります。
その後、①構造的可塑性や②機能的可塑性が生じて、神経のネットワークが新たにつくられます。
新しい神経のネットワークは、ダメージを受けた部分の近くで起こったり、反対の脳でも起こったりして、ダメージを受けた脳の部分の肩代わりをします。
その他、新しい神経細胞が生まれたり、神経細胞に栄養を与えるグリア細胞が生まれたり、新しく血管が張り巡らされたりします。
脳卒中後、脳内で起こる機能改善に関わる変化はさまざまです。
脳卒中発症直後、いかに早く受診するかについても予後を左右します。
⑥の細胞死について、脳梗塞であれば、発症数時間のみ使える薬や血栓を取り除く手術を行うことで、細胞死にまで至るダメージを少しでも小さくすることができるのです。
脳卒中後、あまりにも短期間でさまざまな脳内の変化が起こります。
このグラフをわかりやすく説明しながら、担当している患者さん方やブログを読んでくださっているみなさま方の再発予防のための情報をお伝えしていきたいと思っています。
引用・参考
1) Stinear CM et al:Predicting and accelerating motor recovery after stroke . Curr Opin Neurol. 2014 Dec;27(6)
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年3月26日のブログより転載させていただきました。