关于上肢功能

上肢機能について

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中後の麻痺手のリハビリを行うとき、思ったところに手が届かなかったり、ものを握ろうとしても指とものの形が合わないことがあるのではないでしょうか。


また、ものを握る練習や手を前に出す練習を行うとき、「肩を上にすぼめないでください」「肩を外にひろげないでください」と修正に関する指摘をリハビリスタッフから受けたことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。


麻痺手のリハビリを行うとき、上肢機能に関する知識があると動きの自己修正が行いやすくなったり、ご自身の動きの課題に気がつきやすいと思います。


今回は、上肢機能について簡単にお伝えしたいと思います。


上肢機能とは


上肢機能とは、


✔ 顔を洗うために手を顔に近づける


✔ 水を飲むためにコップを持つ


✔ 本を読むために本を押さえたりページをめくる


などの、腕や手の動きに関する機能のことを指します。


これらの機能がなんらかの理由で障害を有した状態を上肢機能障害と呼びます。


身体障害者手帳のなかでは、肢体不自由の上肢不自由にあたります。


上肢不自由の中では、握る・つかむ・なでる・持ち上げる・運ぶ・投げる・押す・引っ張るなどの具体的な障害の状況を把握していきます。


上肢機能を分けて考える


上肢機能の状態を把握するにあたって、「何か持ち上げることができるか?」などをチェックしていくことは大切ですが、「持ち上げようとする物に手を伸ばすことができるのか」「持ち上げようとする物を握ることができるのか」「持ち上げようとする物を握って持ち上げられるのか」などどんな動きに問題があるのか詳しく把握していくことも重要です。


上肢機能を以下の4つに分けて考えると分かりやすいと思っています。


以下の分け方は認知神経リハビリテーションで学んだ分け方です。


到達機能:手を目的の場所に伸ばす機能


例えば、猫をなでようとするとき、猫に手を伸ばす動きが到達にあたります。


接近機能:手のひらや指腹を目的の物をつかむ前に向ける機能


例えば、イチゴをつかもうとするとき、手のひらをイチゴに向けたり、親指と人差し指の指腹をイチゴに向けたりする機能です。


把持機能:物の形や重さや摩擦の状態に応じて手のひらや指腹を接触させる機能

例えば、スマホを片手で持つとき、スマホの重さや大きさに合わせて手のひらや指腹をスマホにつけておく機能です。


操作機能:物の目的に応じて使用する機能


例えば、箸でサラダをつまむとき操作する箸と固定する箸を手でコントロールする機能です。


このような分け方で上肢機能をみていくと、どの機能に問題があるかわかりやすくなると思っています。


各機能に対して直接リハビリの内容を組み立てていくこともありますので、何か腕を使いにくいなと思ったとき、どの機能が行いにくいのかチェックしてみてよいかと思います。


担当させていただく方々に、麻痺手のリハビリに対して、上肢機能についてもしっかり説明して、お互いが同じ方向を向いて進んでいけるような支援を行いたいと思っています。


引用・参考
1) 楠 貴光 他:上肢のリーチ動作の評価と運動療法.関西理学 18: 39–46, 2018

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/18/0/18_18-B02/_pdf/-char/ja


2) 内山 侑紀 他:上肢機能障害の治療をどう考えていくか?.Jpn J Rehabil Med 2021;58:66-74

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/58/1/58_58.66/_pdf/-char/ja


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年7月12日のブログより転載させていただきました。

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