高级脑功能障碍:行为中出现的社会行为障碍

高次脳機能障がい:行動にあらわれる社会的行動障がい

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


このブログでは、わかってもらいにくい・気づいてもらいにくい高次脳機能障がいについて取り上げてきています。


高次脳機能障がいの理解のために


高次脳機能障がい:社会的行動障がいのリハビリテーション


脳卒中後や交通事故や脳炎などにより、脳にダメージを受けると、手足の麻痺だけではなく、記憶障がいや言語障がいなどの症状が出現することがあります。


その中でも、高次脳機能障がいは、患者さんご自身だけでなく、ご家族や医療スタッフにも気づいてもらいにくい症状が出現することがあります。


高次脳機能障がいは、行政用語で、「記憶障がい・注意障がい・遂行機能障がい・社会的行動障がい」などの認知障害を主な要因として、日常生活および社会生活への適応に困難を生じているものをさします。


この中で、「社会的行動障がい」については、多角的に捉え、「どんな行動をとっているのか?」について考えるのはもちろんのこと、「その行動を引き起こしている背景には何があるのか」考えていくことが重要だとわたしは思っているのです。


周囲の方からみて、「不思議な行動」「困った行動」「理解しにくい行動」の中には、高次脳機能障がいがある方の「SOS信号」があるかもしれません。


「その行動を引き起こしている背景には何かがあるのか」を考えていくことで、「行動にあらわれる社会的行動障がい」がみえてくるかもしれません。


今回は、社会的行動障がいの背景を知っていくことの大切さについて焦点をあてながら、ブログをしたためていきたいと思います。


あらわれる行動はSOSのサインかもしれないと想うこと


高次脳機能障がいの中の、記憶障がい・注意障がい・遂行機能障がい等があると、以下のような症状がでる場合があります。


✔ 周囲がざわざわしていると気分が落ち着かない


✔ 書いたはずのメモがみつからない


✔ ものごとの順番がわからず失敗してしまう


✔ 言いたいことがうまく言えない


このような症状は、本人が「困っていると気がついている」場合や、本人が「「困っていることに気がついていない」場合があります。


本人が「困っていると気がついている」場合、どうにか対処しようとしてパニックになったり、感情がコントロールできずに新たに出現する行動が「社会的行動障がい」としてあらわれてくることも。


□ 周囲がざわざわしていると気分が落ち着かない

□ 気が散ってしまい、やりたいことができずイライラして周囲の人に大声を出してしまう


□ 書いたはずのメモがみつからない

□ メモがみつからないので見つかるまでずっとメモを探し続けてします


□ ものごとの順番がわからず失敗してしまう

□ 順番がわからず作業が止まりパニックになる


□ 言いたいことがうまく言えない

□ うまく言えなく相手がわかってくれないので徐々に大声でまとまりのない発言を繰り返す


黒色文字の症状は、周囲の方からみてわかりにくい症状です。


周囲の方からみてわかりにくい症状が原因となって、表に出てくる症状が赤色文字の症状の例です。


周囲の方からみて、なぜ赤色文字の行動があらわれるのか、わかりにくいと思います。


「イライラしている人」、「同じことを繰り返す人」、「パニックになりやすい人」、「大声を出す人」など、表にあらわれた行動が目立ってしまうかもしれません。


しかし、表に何か行動としてあらわれるときは、「SOS信号」かなと思うと、原因を探すきっかけになるでしょう。


わたしは、行動のきっかけを探して、対処方法を見つけていくことが大切だと思っています。


最後に


今回は、行動にあらわれる社会的行動障がいについて、わたしが普段から思っていることをしたためました。


社会的行動障がいの背景を知っていくことが大切だと思っています。


わかりにくい高次脳機能障がいだからこそ、わたしがわかる範囲で発信し続けていきたいと思っています。


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年10月14日のブログより転載させていただきました。

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