佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の 橋間葵です。
先日、お役立ち情報として運転再開に関する資料をまとめて探したブログをアップしたところ、脳卒中後の方々以外にリハビリスタッフからも無料公開されている資料がたくさんあるんだと反響をいただきました。
脳卒中後に手足の麻痺がほとんどなく、自宅退院してすぐに運転して、自損事故を起こしたケースの報告を聞いたり、わたしもそのような場合の方を担当したことがあります。
手足の麻痺があると、ご本人もご家族も脳卒中の後遺症があるとわかりやすいのですが、高次脳機能障害は軽度で有れば見逃されてしまうことがあります。
手足の麻痺があると、ご本人もご家族も脳卒中の後遺症があるとわかりやすいのですが、高次脳機能障害は軽度で有れば見逃されてしまうことがあります。
運転に関しては、ハンドルを握ったり、アクセルやブレーキを扱う運動機能面と、運動機能面が正しく実行できるように気をつけたり動きを調整する高次脳機能面の両方が大切です。
ハンドル操作やアクセルやブレーキについては、自動車の改造により麻痺がある状態でも運転することができます。
高次脳機能に関して、運転に関するものは多岐に渡ります。
下の図がとてもわかりやすく「運転に関わる高次脳機能」について示していると思います。
出典:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順
運転に関わる高次脳機能には以下のものが含まれます。
□ 注意機能
・必要なものに適切に集中できる
・ひとつのものに集中するのではなく、変化に応じて集中する先を変えることができる
・バランスよく注意を分散できる
□ 視空間認知
・車線と車の位置関係がわかる
・前後左右の車と自分が運転する車の距離関係がわかる
・他の車の運動スピードや運転している方向がわかる
□ 遂行機能
・運転に必要な順番がわかる
・運転に対する問題が発生したとき解決方法を実行することができる
□ 記憶・知的機能
・車の位置関係や信号機などの状態を一旦記憶して、行動することができる。
□ 言語
・ナビの音声の意味がわかる
・各表示を読むことができて意味がわかる
運転に必要な高次脳機能をまとめると、多岐にわたることがわかります。
脳卒中後、注意障害があったり、視空間認知に問題がある場合、退院して運転をすぐに再開することは危険が伴う可能性があります。
リハビリスタッフとして、入院中に高次脳機能障害がある方に対して、運転再開までの流れを説明していますが、すべての病院で説明を行っているとは限りません。
運転再開に関して、主治医に確認したり、公安に確認したりすることが必要です。
安全に運転再開ができるような支援が充実していくことを望んでいます。
1)三村 將 他:高次脳機能障害と自動車運動. 国際交通安全学会誌 Vol.42 No.3 平成30年 https://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/42-3-01.pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました.。.:*☆