佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、手足の麻痺・感覚障害・バランス障害などにより立ち上がる時・座る時・歩いている時などに転んでしまう方が少なくありません、
脳卒中後、入院してリハビリを行っている方の14%〜39%の方が少なくとも1回は転倒を経験しているという報告があります。
脳卒中後の転倒は、体が動きにくいことのみが原因ではなく、高次脳機能障害も関与していると報告されています。
脳卒中後の転倒には高次脳機能障害が関わっているか否かについて調査した報告があります。
高次脳機能障害のひとつである注意障害は運動機能障害より転倒に影響を及ぼすとも報告されています。
さらに、転倒の状況について報告したものがあります。
その転倒したときの状況とは、移乗動作の時とのことでした。
車椅子とベッドの移乗動作では、車椅子のブレーキをかける・フットレストを上げておく・アームレストにぶつからないように車椅子の乗り降りを行うなど数多くの動作が必要です。
高次脳機能障害がある場合、動作の手続きが複雑であったり、手順が多いと混乱することがあります。
また、別の報告では、脳卒中後の方で転倒した方のうち78%の方は高次脳機能検査で何らかの障害を有していたとしています。
過去の報告をみますと、高次脳機能障害があると転倒のリスクがあるということがわかります。
転倒を未然に防ぐために、おひとりおひとりにあった移動手段を検討したり、安全に行える移乗動作などを獲得していく支援を行いたいと思います。
引用・参考
1) 高嶺 一雄:脳血管障害患者における転倒・転落の危険因子 特に高次脳機能障害との関連性について.Kitakanto med J, 2005
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kmj/55/1/55_1_1/_pdf/-char/ja
2) 田中 貴士 他:脳血管障害者における注意機能・身体機能が転倒に及ぼす影響. 理学療法科学 25(2):199–202,2010
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/25/2/25_2_199/_pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年11月5日のブログより転載させていただきました。