高等脑功能障碍:壶腹运动失用症难以理解

高次脳機能障害:肢節運動失行はわかりにくい

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


これまで数回に渡り、わかりにくい高次脳機能障害のなかの「失行症」についてたびたび取り上げています。


高次脳機能障がい:失行症

高次脳機能障がいの実際のリハビリ:その4


失行症の中でも、「肢節運動失行(しせつうんどうしっこう)」は、運動麻痺と間違われやすく、高次脳機能障害として見落とされることが多いです。


肢節運動失行は、手をグーパーしたり、座って足踏みをしたりするような運動は行えるのに、ポケットに手がうまく入らなかったり、机の上のものが取りにくかったりします。


また、麻痺はないのに寝返り起き上がりがぎこちなかったり、立つ時足や胴体のタイミングが合わなかったりします。


肢節運動失行で見られる症状は以下のようなものが挙げられます。


✔️ 服のボタンがつまめない


✔️ ポケットに手を入れたつもりが指が引っかかったままでいる


✔️ 机の上のコップの握り方がぎこちない


麻痺や感覚の障害がないにも関わらず…という点が、患者さんだけでなくリハビリスタッフも困惑することがあります。


肢節運動失行は、脳卒中などの脳にダメージをきたした時、運動のプログラムをつくりあげていく過程の障害であると予想されています。


リハビリスタッフが見落としやすい高次脳機能障害なので、患者さんのリハビリを組み立てられるようにしっかり臨床力を鍛えていきたいと思います。


引用・参考
1)近藤 智 他:肢節運動失行にみられる運動記憶と運動プログラムの障害. 理学療法科学 33(3):431–437,2018

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/33/3/33_431/_pdf


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年4月8日のブログより転載させていただきました。

ブログに戻る