佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中や交通外傷などで脳にダメージを受けると、手足が動きにくくなる運動麻痺が出現する可能性については、一般的に広く知れわたるようになっているなと実感しますが、「高次脳機能障がい」については、まだまだ世間的な認知度は低いなと感じています。
それゆえ、当事者団体の設立や脳外傷問題についてマスコミがとりあげる背景などから、2001年から厚生労働省の「高次脳機能障害支援モデル事業」が始まりました。
しかし、高次脳機能障がい者・支援者を取り巻く状況はには地域や支援施設でばらつきがあるように思え、情報が得やすい方と得にくい方とで差が大きいのではないかと思っています。
文献1)にて、「高次脳機能障害は、当事者・家族等の日常生活に支障をきたすだけでなく、疾患に よって出現する言動、態度により社会から疎外され、地域等で孤立するリスクを抱える。」とあり、一般的に高次脳機能障がいの症状の理解が浸透する必要を感じます。
疾患は異なるのですが、自閉症の方々の言動に関するポスター掲示を列車内で見かけることが多くなりました。
自閉症がある場合、列車で見られる可能性のある言動と、周囲の方はあたたかく見守って欲しいという内容のポスターです。
出典:西東京市web
厚生労働省は、高次脳機能障がい者を取り巻く課題として以下を挙げています。
① 差別や偏見の存在
② 支援上の一貫性の欠如
③ 社会的行動障がいへの理解不足
自閉症とは限定しない内容で、上記の自閉症のポスターと似ている内容ですが、以下のようなポスターを作成している自治体もあります。
出典:横浜市港南区ホームページ
社会的な整備がなされつつあると言われても、まだまだ足りないのが現状ではないでしょうか。
わたしにできることは、見逃されやすい高次脳絹障がいをしっかり把握して、回復を支援したり退院後の生活設計の援助をすることだと思っています。
これからも高次脳機能障がいに関して知識と実践を深めていきたいと思います。
引用・参考
1) 後藤 博:整備が進む「高次脳機能障害」支援.第一生命経済研究所 LIFE DESIGN REPORT 2022.7
https://www.dlri.co.jp/files/ld/197005.pdf
2) 厚生労働省:令和5年版厚生労働白書「障害者支援の総合的な推進」
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/22/dl/2-09.pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年8月25日のブログより転載させていただきました。