佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
世間一般的なイメージとして、「脳卒中になったあとはリハビリを行うもの」ということは浸透しているかなと思っています。
野球選手が肘を痛めて手術した後にリハビリを経てから選手として復帰したとか、芸能人がくも膜下出血のちリハビリを経てから復帰したというニュースを見聞きしたことがあるかもしれません。
病気やケガの後のリハビリは重要であると言うことはわかっていても、なぜ重要であるかについては明確ではないかなと思うことが時々あります。
今回は改めて脳卒中後のリハビリテーションの重要性について記していきたいと思います。
脳卒中後のリハビリテーションは、救急搬送された病院で行う急性期でのリハビリテーション、回復期リハビリテーション病棟に入院してからのリハビリテーション、自宅退院や施設入所後のリハビリテーションのおおよそ3つの時期に分けられます。
リハビリ室や病室でリハビリスタッフと1対1で行うリハビリ、おひとりで行う自主トレ、病棟などのリハビリ時間以外に行うリハビリなど行う方法はさまざまなです。
脳卒中後のリハビリテーションの重要性は以下のものが挙げられると思います。
①リハビリを通じて脳の機能の回復を図る
脳は機能的に柔軟性を持っているため、使えば使うほど変化をもたらすことが可能です。
繰り返し行うこと・誤りのない学習・日常生活に近い動きを行うことなど、脳の変化をもたらしやすいリハビリを行うことで、脳の機能の回復を図ります。
②現時点の体の状態で行えることを開発・強化する
脳卒中になる前は、車椅子を使ったり杖を使ったり利き手でない手を中心に使う生活を行うことはなかったと思います。
脳卒中後では、そのときどきでの体の状態に合わせて行えることを開発・強化していきます。
③ひとりひとりの個人の背景に合わせた環境設定を行う
脳卒中後のリハビリと一口に言っても、ひとりひとりの体の状態だけではなく、背景に合わせたリハビリ支援を行いますが、環境設定も行います。
ご自宅でベッドを使っていたか畳に布団を敷いていたかなどでも環境設定が異なります。
必要に応じて、実際の運動だけではなく、畳から立ち上がるための福祉用具を導入したり、使いやすい箸やスプーンなどを選んでいきます。
脳卒中後のリハビリの重要性は、上記の①〜③を通して可能性を最大限に引き出していくという点だと思います。
おひとりおひとりに合わせたリハビリ支援の中で、可能性を引き出していくことができる様に研鑽を積み続けたいと思っています。
引用・参考
1) 唐牛 大吾 他:脳血管障害のリハビリテーション理論と実際. J. Nihon Univ. Med. Ass., 2018; 77 (5): 283–286)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/77/5/77_283/_pdf/-char/ja
2) 松元 秀次:脳梗塞のリハビリテーション治療. 日医大医会誌 2019; 15(4)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/15/4/15_201/_pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年8月22日のブログより転載させていただきました。