佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後のリハビリテーションの考え方は多種多様で、担当のリハビリスタッフがどのように考えているか、入院した病院全体の考えがどのようであるかなどで左右されているなと思うことがあります。
私見なのですが、わたしは病院で勤務している関係上、脳卒中後発症から180日以内の方々を担当することが多く、麻痺手については最大限回復するよう機能回復に重きを置いてリハビリテーションを組み立てます。
もちろん、入院生活の中では麻痺した手足の状態で、ご自身の力でできることを増やしていくような支援を行います。
例えば、握りやすいスプーンを一時的に使用して食事を行うけれども、麻痺手の回復とともに自助具箸に変えたり普通箸に変えたりと言ったところです。
しかし、昨今の早期退院の流れや患者さん本人が早期に自宅退院したい場合、麻痺手の回復より今の身体能力を使って安全に日常生活を送れるように支援することを優先しなければならないこともあります。
例えば、麻痺手に使用するアームスリングを1人で装着して、車椅子で生活できるように支援していくといった方法です。
麻痺手の回復も日常生活の暮らしやすさも、どちらも大切な支援で比較することは難しいと思っています。
ただ、麻痺手の機能回復の状態と麻痺手の日常生活での使用頻度に関連があるので、麻痺手の機能回復を最大限になるように支援したいと思っています。
必ずこちらの方がよいというわけではなく、患者さんのお気持ちや置かれている状況で、支援のあり方を考えていくことが大切です。
今回のブログの内容は臨床場面でふと考えさせられることがあり、思いをしたためました。
リハビリスタッフの想いや能力に差があるのは当たり前かもしれませんが、そのリハビリスタッフに患者さんが巻き込まれないように、最大限の回復と支援ができることを当たり前にし続けていきたいと考えています。
引用・参考
1) Hirayama K et al. Trends in amount of use to upper limb function in patients with subacute stroke: a cross-sectional study using segmental regression analysis. BMC Neurology (2023) 23:429
https://bmcneurol.biomedcentral.com/counter/pdf/10.1186/s12883-023-03469-z.pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年12月14日のブログより転載させていただきました。