站立和行走的区别

立ち上がりと歩くことの違い

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中後、おひとりおひとりに合わせたリハビリを行っていきますが、立つ練習から歩く練習になかなか移行するのに時間がかかった方がいらっしゃるのではないでしょうか。


また、お体の状態によっては、歩く練習に移行できなかった方もいらっしゃると思います。


一見すると、立った後にすぐ歩けそうな気もしますが、立つことと歩くことには大きな違いがあります。


今回は、立つことと歩くことの違いについて記していこうと思います。


立ち上がり


出典:立ち上がり動作


立ち上がり動作は、座っている状態から立った状態へ移行する動作です。


座っている動作という静的な場面から、立つという静的な場面に移行する間は動的な動きを経由します。


静的場面→動的場面→静的場面といった風な変化が起こります。


また、座っている位置から立っている位置に移動するときには、低い位置から高い位置に重心が移動します。


座っているときはお尻や太ももの裏や足裏で体重を支えますが、立ったときは足裏だけで体重を支えますので、広い面で体重を支える場面から狭い面で体重を支える場面に移行するという特徴もあります。


歩行


出典:歩行分析・動作分析のグローバル・スタンダード


歩く動作は、立った姿勢を保ちながら、足を踏み換え、前方(または後方などに)に身体全体を移動する動作です。


立ち上がり動作では体重の移動が広い面から狭い面に変化しますが、歩行では両足で体重を支えるときと片足で体重を支えるときがあり、立ち上がり動作より少ない面で体重を支える必要があります。


立ち上がり動作では、止まっている座っている姿勢から立つ姿勢へ変化しながら最終的には再び止まっている姿勢に変化しますが、歩いている時は常に動いている状態が続きます。


歩くときは上下左右前後に重心が変化しますが、立ち上がるときより上下方向の重心の移動は少ないです。


立ち上がりと歩くことの違い


立ち上がりと歩くことは動作そのものが異なりますので、共通事項があっても、上記に記しているように、以下のような違いが挙げられるでしょう。


✔️ 体重を支える面積の広さが異なる


✔️ 重心の移動の変化が異なる


✔️ 静的場面と動的場面の変化が異なる


✔️ 動く方向(上下に動くか?前方に動くか?)が異なる


立ち上がりと歩くことを比べてみると、さまざまな要素が異なることがわかります。


リハビリでは、お一人お一人に合わせた内容を行うので、立ち上がり練習が行えるじょうたいであっても、歩く練習を行えるための体の状態が整っていなければ歩く練習に移行できないこともあります。


立つ練習が開始して、すぐに歩く練習に移行しそうな気もしますが、歩く練習へ移行できるだけの体の状態を準備することが必要な場合もあります。


目標に向かってリハビリ計画を立てながら、毎日少しずつ変化が見えるような支援を行っていきたいと思っています。


引用・参考
1) 後藤 淳 他:立ち上がり動作.関西理学 2:25-40,2002

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkpt/2/0/2_0_25/_pdf


2) 畠中 泰彦:歩行分析・動作分析のグローバル・スタンダード. 理学療法学 第 40 巻第 8 号 567 ~ 572頁(2013)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/40/8/40_KJ00009392302/_pdf


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年11月22日のブログより転載させていただきました。

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