佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、体の状態を把握したり、リハビリの内容を決めるために、さまざまな検査を行ったと思います。
例えば、「片足立ちの時間」や「小さいブロックを移動するタイム」を計測するなどです。
さまざまな検査を通して、麻痺の状態を把握し、動きの状態を知ることができます。
検査には、カットオフ値と呼ばれる数値が決められている検査があります。
リハビリ支援を行なっていく中で、検査のカットオフ値に照らし合わせて、お体の現状や症状の判定を行うことが多いです。
カットオフ値は、検査や測定結果において、陽性・陰性を判断するために用います。
また、検査の得点などから、病棟生活で行える動きを決めていくこともあります。
例えば、姿勢バランス検査として代表的なバーグバランススケールの得点が高齢者の場合は45点以下であれば、複数回の転倒発生率が約2.7倍高くなると報告されています。
Bergらは脳卒中12週後の患者さん対象に調査して、在宅で生活できている人のバーグバランススケールの平均値は45点であり、リハビリテーションセンターに入院中の患者さんは平均31.1点、施設の患者さんは平均8.6点であったと報告しています。
あくまでもカットオフ値は参考として使用していますが、病棟内歩行を自立として日常生活レベルを変更するか、見守り歩行を継続するかなどの判断材料として用いています。
患者さんから「トイレまで自分だけで歩いて行きたいけど、まだ危ないですか?」などご質問を頂いた時も、あくまでも目安の値として、カットオフ値を用いて説明させていただいています。
リハビリに関係する説明の中で、「カットオフ値」という言葉を聞いた時には、リハビリのさまざまな検査の結果を判定する数値なんだなと思っていただけるとよいかと思います。
引用・参考
1) 及川真人 他 : 地域在住脳卒中片麻痺者 の屋外活動可否を決定する要因. 理学療法科 学. 2015; 30(6): 843-846
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/30/6/30_843/_pdf
2) 吉田啓志 他 : 自宅退院した脳卒中 患者の屋外活動における基準値-退院時の身 体的因子による検討-. 理学療法科学. 2018; 33(2): 323-326.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/33/2/33_323/_pdf
3) 久保田雅史 他:急性期脳梗塞患者の在宅退院とBerg balance scaleの関係.神経治療 27:573-578,2010
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年11月29日のブログより転載させていただきました。