佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
ここ数日、脳卒中後の手指のリハビリに関する内容をお伝えしています。
手指が少し動き始めたときの麻痺手のリハビリ
握るもので手指の使い方は異なる
麻痺手については、以下のように
① 手指も肩肘も動かすことがほとんどできない
② 手指は少し動くが、肩肘がほとんど動かない
③ 手指はほとんど動かないが肩肘は少し動く
④ 手指も肩肘も少し動く
⑤ 手指も肩肘も日常生活で使えるくらい動く
などに大まかに分けられます。
もちろん、動きの状態には、感覚障がいや筋肉のこわばりなども影響します。
麻痺手の状態は、その人その人で異なりますので、脳卒中後の麻痺手のリハビリに関して、全ての方に万能なものはないと思っています。
似たようなリハビリ内容でも、難しかったり簡単だったりします。
ご自宅などでの自主トレでは、やや難しいもの(自分だけで60〜70%程度できる)に取り組んでいただいて、変化を目指していただくことが多いです。
もちろん、ご自分で出来る内容は、耐久性などを向上させたり、麻痺手の使用頻度によい影響を与えたりするので、継続して取り組んでいただいています。
ご自分でやや難しい自主トレを作っていくには、「難易度調整」が必要です。
例えば、上の写真のように、洗濯バサミを使う自主トレを考えたとします。
洗濯バサミを使った自主トレであれば難易度調整は以下のパターンをつくることが出来ます。
※ 簡単→難しい※
① 柔らかい洗濯バサミ→硬い洗濯バサミ
② 低い位置→高い位置
③ 大きい洗濯バサミ→小さい洗濯バサミ
(大きさは人にもよります)
段階的に難易度調整を行うことで、「少ない力から大きな力へ」、「手首を使わない方法から手首も使う方法へ」、「空中操作が簡単な方法から難しい方法へ」など、より麻痺手の自由度を高めるような能力を獲得していくキッカケが生まれます。
ものを持ち上げる方法も、その方によって難易度が異なります。
上の写真のように、横から握る方が良い方と、真上から握る方が良い方がいらっしゃいます。
肘から手指まで全体を机に乗せていた方が手指を動かしやすい方、真上から手首を垂らしたような形の方が手指を動かしやすい方がいらっしゃいます。
その人その人で、動かせる体の部分や動かしやすい姿勢が異なります。
お一人お一人に合った動かす方法で、60〜70%くらいの達成度で難易度調整が出来たらよいと思っています。
難易度調整には、扱う道具の数も考慮します。
1つずつ動かして休憩をとる方が良い方、10個程度動かして休憩をとる方が良い方などさまざまです。
1つずつ動かすときに、力や能力を全て出し切る必要がある方が10個連続で動かしても、疲れや痛みなどを発生させる可能性があるので、60〜70%くらいで出来る個数を決めることも大切です。
自主トレで難易度調整を行うことは容易ではありません。
難易度調整で迷っている方は、担当のリハビリスタッフにご相談ください。
このブログでもご相談を承っております。
お一人お一人に合った難易度で、自主トレができると良いなと思っています。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年10月11日のブログより転載させていただきました。