患者与康复人员的关系

患者さんとリハビリスタッフとの関係

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


わたしは仕事柄、入院したばかりの患者さんとさまざまな話をしなくてはなりません。


患者さんと話す内容は、「お体で困っていること」「不安に思っていること」「病気について聞きたいこと」などを伺います。


入院したばかりの方は、転院して来られた直後であったり、ご自宅から入院した直後の方々で、はじめてお会いする方ばかりの方々です。


初めて会ったリハビリスタッフに、さまざまなことをお話ししていただくためには、話しやすい雰囲気作りや信頼していただけるように精一杯対応しています。


リハビリを進めるにあたって、患者さんとより良い関係でありたいと思っています。


今回は、患者さんとリハビリスタッフとの治療関係について記していきたいと思います。


クライエントが経験している治療関係の成り立ち


文献1)にて、クライエントと作業療法士の治療関係についての研究から、クライエント側からの視点について記していきます。


文献1)では、クライエントが経験している作業療法士との治療関係の成り立ちと意味づけについて、以下のように挙げています。


□ セラピストに対する期待と不安


□ 治療的接触と情緒的交流


□ 作業療法の意外性


□ 改善の兆候の実感


□ 期待以上の関わり


□ 今の自分を知ってくれる存在


多くの病院の場合、患者さんより担当リハビリスタッフの方が年齢が低く、信頼できるかどうか不安になることが多いと思います。


脳卒中後、病態のひとつとして「抑うつ状態」がありますが、ご自身の体のことについて気持ちがついていかずに不安になることが多々あります。


入院したばかりで、初めて会ったリハビリスタッフに対して、信頼できるかどうか不安になっている時期に、体や高次脳機能についての検査を行わなくてなりません。


不安な気持ちの時期に、さまざまな検査を行うので、体も心も疲れてしまわないか、わたしはいつも心配しています。


出来るだけ早いうちに、患者さんと信頼関係を作ることが大切だと思っています。


当事者の体験談を聴くということ


文献2)では、 脳卒中当事者の経験談を作業療法士と共有する研修会を企画して、研修会前後で作業療法士の意識がどのように変化したか研究報告しています。


普段、脳卒中後の方々を担当している作業療法士の方が研修会に参加していますが、脳卒中当事者の体験談を聴くことで、以下のような気づきが生まれていました。


□ 忖度の存在


□ 目標の乖離


□ アウェイな環境


□ 医療従事者の言動の重み


□ 時間の有限性


当事者の体験談を作業療法士が聴くことで、患者さんがどのようなお気持ちで、リハビリを受けていたか知ることができていました。


文献2)では、「患者にとって病院はアウェイな環境であるということは考えたことがなかった」、「医療従事者の否定的な言葉に傷ついたという話が印象に残った」という研修会を受けた作業療法士の言葉が記されています。


卒後教育として治療関係を学ぶ機会が少ない


リハビリの学生のころは、心理学などを学び、患者さんのお気持ちに添えるリハビリスタッフとなるような教育がなされます。


しかし、卒業すると、なかなか患者さんとリハビリスタッフとの治療関係について学ぶ機会は少ないでしょう。


臨床現場で切磋琢磨しながら患者さんとより良い関係を築いていけるように実践的に学びますが、リハビリテーション技術への学びに意識を向けている勉強会が多く、患者さんとの治療関係についての勉強会については、私見ですが多くない印象です。


意識して患者さんとの治療関係について思いを馳せなくては、普段の臨床でのリハビリスタッフとしての態度を振り返る機会が少ないと思います。


担当させていただいている患者さんの視点に立って、患者さんが経験しているリハビリスタッフとの治療関係の成り立ちについて、常に配慮する必要があると思っています。


昔に比べて、患者さんとリハビリスタッフとの目標設定についての研究が増えてきているので、リハビリスタッフはさまざまな報告に目を通した方が良いと思っています。


また、最高の学びは、担当している患者さんのお気持ちを傾聴することだと思っています。


わたしは、ピアカウンセリングの学びを通して、傾聴の技術を高め、毎日のリハビリ支援に向き合っていきたいと思っています。


引用・参考
1)嶋田 隆一 他:回復期リハビリテーション病棟入院中のクライエントと作業療法士の治療関係はどのような経験から成り立つのか.作業療法 第40巻5号.2021

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jotr/40/5/40_581/_pdf/-char/ja


2) 髙野 大貴:脳卒中後遺症者が経験した信念対立を共有することが 作業療法士の認識や行動に与える影響について. 日本臨床作業療法研究 No.7:31−38,2020

https://kenkyuukai.m3.com/journal/FilePreview_Journal.asp?path=sys%5Cjournal%5C20200328210035%2DD0AFB52BD829D7A7FC4B879A115C3987909CDED9F1F21214343F09EE6E2B6AE6%2Epdf&sid=848&id=3500&sub_id=50995&cid=471



☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年10月23日のブログより転載させていただきました。

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