佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後の麻痺側の筋肉の状態といえば、筋肉のこわばりである「痙縮」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
痙縮によりあくびやくしゃみなどのとき、曲げるつもりがなくとも勝手に肘や指が曲がってきたり、立ったり歩いたりするときに麻痺側の腕が硬くなる症状といえばわかりやすいかなと思います。
痙縮とは反対に、筋肉のこわばりがほとんどなく、麻痺側の手足がだらんとした状態になる場合があり、この状態を「弛緩性麻痺(しかんせいまひ)」と呼びます。
脳卒中後の運動麻痺は、筋肉の緊張の異常の状態から「痙性麻痺」と「弛緩性麻痺」とに分けられます。
脳卒中後発症直後は「弛緩性麻痺」であることが多く、徐々に痙性麻痺に推移していく患者さんも多いです。
弛緩性麻痺の状態の筋肉はとても柔らかく、関節の動きが動きすぎてしまう場合が多く、特に肩の脱臼のリスクがあります。
また、座ったり立ったりするときも腕の重さで肩甲骨と上腕骨の間が広がり脱臼しやすくなります。
そのため、弛緩性麻痺の場合、病棟ベッドで寝ている時間帯の麻痺側の肩を脱臼しないような前準備をしたり、患者さんに麻痺側手足の管理方法をお伝えすることもあります。
患者さんのご協力をいただきながら、脱臼予防やリハビリ支援をしっかり行なっていきたいと思っています。
引用・参考
1) 片桐 一敏 他:脳卒中重度弛緩性麻痺側上肢における作業療法 ―肩関節亜脱臼の改善と麻痺側上肢の自己管理に向けて―. 作業療法の実践と科学 1(3):2019
https://www.jstage.jst.go.jp/article/psot/1/3/1_49/_pdf/-char/ja
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年3月16日のブログより転載させていただきました。