佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
近日、患者さんがご自分のことをご自分で決める、患者さんと医療者とが協業して目的を達成していくことに関する資料を読んでいます。
その中で出会った書物が、「「新しい自分」を見つける 「患者の旅路」」です。
わたしは、この書物を読んで、「患者の旅路」という概念をはじめて知りました。
患者さんが病気と共に生きることを「患者の旅路」として捉えようとする考え方が、英語圏にて広まっています。
「患者の旅路」とは
出典:「新しい自分」を見つける 「患者の旅路」
患者の旅路とは、脳卒中であれば、脳卒中の発症→急性期病院→リハビリテーション病棟→地域ケアといった流れを視覚的に表したものです。
旅路の始まりは、病気をする前であったり、病気を発症したときなど、決まっているわけではありません。
旅路の始まりから、さまざまなことを経て、病気を克服したり、病気とうまく付き合っていくことに折り合いをつける旅を表していると言い換えられると思います。
障害受容という言葉を見聞きしたことがあるかもしれませんが、患者の旅路には障害受容のプロセスに挙げられているような感情の変化は盛り込まれていません。
出典:「新しい自分」を見つける 「患者の旅路」
患者の旅路を医療スタッフが知っておくことは、患者さんを理解し、円滑に双方向のコミュニケーションを取るために役立つことが指摘されています。
また、患者さんにとっても、ご自身の現状を把握して、社会生活に戻る道筋が見えやすく、とても有意義な概念だと思います。
さらに、各時期ごとに支援する職業や該当する窓口などをリスト化して患者さんに説明すると、わたしも把握しやすいなと感じることが多いです。
最後に
今回は、患者の旅路についてまとめました。
リハビリ支援技術として身体に関わることはもちろん、社会生活をどのように取り戻していくかもしっかりサポートできるように精進していきたいと思います。
引用・参考
1)細田満和子:「新しい自分」を見つける 「患者の旅路」.Jpn J Rehabil Med 2020;57:898-903
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/57/10/57_57.898/_pdf/-char/ja
2)岡本五十雄:脳卒中患者のこころのうち ―障害受容とこころの推移.Jpn J Rehabil Med 2020;57:904-912
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/57/10/57_57.904/_pdf/-char/ja
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年3月21日のブログより転載させていただきました。