佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、高次脳機能障害のひとつである「注意障害」が症状として生じている方々を担当することがあります。
注意障害に対して直接的にリハビリ支援を行うことがありますが、麻痺手のリハビリや日常生活動作のリハビリを中心にしなければならないことがあり、試行錯誤しています。
今回は、わたしが普段の臨床で注意障害がある方に配慮していることを記していきたいと思います。
怠け心があるわけではないと伝える
注意障害があると、リハビリを行う時間全てにおいて、気持ちを持続させることが難しくなります。
初めは集中できても、途中から言葉のやり取りが続かなくなったり、ソワソワしたりするなどが見られます。
患者さんご自身が注意が持続しないことを理解している場合、自責の念にかられることも。
落ち込んでしまう方もいらっしゃるので、集中が続かないことは怠け心があるわけではないということをしっかりお伝えしています。
一度にたくさんのことを要求しない
注意障害があると、一度にたくさんのことを言われたり、一度にたくさんの仕事を与えられたりすると、集中力が途切れやすくなります。
例えば、
「今日は◯月◯日◯曜日ですね!今日のリハビリは細かい作業からしますか?それとも、ブロックを移動するリハビリからしますか?わたしはどちらでもいいと思いますが、◯◯さんはどう思いますか?」
など、いっぺんに話しかけると、会話に集中し続けなければならないので、とても疲れてしまいます。
また、会話の内容が把握できずに、返答しない様子だけを他者から観察されて、「返事がなかなかできない方」と思われる可能性も。
上のような会話が必要な時、一文一文を区切って、間を開け、返答しやすいペースを探しながらお声かけしています。
焦りは禁物
注意障害があると、焦って慌てて行動すると、何かを忘れたり、何かの方法をあやまることがあります。
リハビリ支援を行うわたしたちが焦ったり、患者さんを急がせたりすることは禁物だと思っているのです。
患者さんに焦らずに、慌てずに、確実に物事ができるように、リハビリスタッフであるわたしは、ゆとりを持った行動を行うようにしています。
本人が悪いのではなく、病気の症状であることを伝える
注意障害に限らず、さまざまな症状に関して、患者さんが自分自身を責めるようなお気持ちになることがあります。
自分自身を否定しないように、今ある症状は病気によるもので、患者さん自身が悪いということではないとはっきりお伝しています。
最後に
今回は、わたしが臨床現場で配慮していることについて記しました。
いろいろご意見をいただけたら嬉しいです。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年3月23日のブログより転載させていただきました。