佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中後、歩行練習を始めていく中で、「反張膝」という膝の動きを知った方がいらっしゃるのではないでしょうか。
歩くとき、左右の足に体重を交代交代に載せることで反対の足を前に出せるのですが、麻痺側に体重を載せるときに膝が前に曲がるのではなく後ろにそり返るような動きとなってしまうのが「反張膝」です。
出典:Kinematic on Ankle and Knee Joint of Post-Stroke Elderly Patients by Wearing Newly Elastic Band-Type Ankle–Foot Orthosis in Gait.
上の写真の左から2枚目と3枚目の写真の左足(奥側の足)の形が反張膝です。
反張膝にはさまざまな要因がありますが、反張膝がある足に体重がかかる時に痛みが出たりするなど歩行に影響を及ぼします。
反張膝の原因として、
① ふくらはぎの筋肉のこわばりが強くて、足を前に出して足裏を床に着けるときに膝が曲がらない
② 麻痺側の足の筋肉の張り具合が弱く(筋緊張低下)、体重を載せた時に膝がぐらぐらしてしまうのを止めるために意図的に膝をロックをかけるようにして歩く
の、2つが大きな原因です。
筋肉のこわばりが強すぎても、弱すぎても膝に負担がかかってしまいます。
長年、膝に負担をかけたまま歩き続けると、膝の痛みが出たり関節が動きにくくなることも。
脳卒中後のリハビリにて、理学療法士が歩行状態を確認して、歩行での膝の動きを変えるリハビリを行ったり、場合によっては装具を検討することがあります。
退院後にデイケアや訪問リハビリで理学療法士によるリハビリを継続している場合は、退院後も歩き方の指導やリハビリを行っていることが多いと思います。
ご自身の歩行について気になることがあれば、サポートしているリハビリスタッフやケアマネジャーなどに相談してみてくださいね。
引用・参考
1) Kim J.H.:Kinematic on Ankle and Knee Joint of Post-Stroke Elderly Patients by Wearing Newly Elastic Band-Type Ankle–Foot Orthosis in Gait. Clinical Interventions in Aging 2019:14 2097–2104
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6901042/pdf/cia-14-2097.pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年3月4日のブログより転載させていただきました。