佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
入院中のリハビリや退院した後の自主トレを頑張っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、毎日の同じようなリハビリメニューを行う中で、飽きてきてしまうことが少なからずあると思っています。
わたしも時々、患者さん方から「似たようなリハビリばかりで気持ちが萎えてしまいます」という気持ちを教えていただくこともあります。
毎回のリハビリでメニューを変えながら行うことは、豊かなリハビリメニューを体験することとなり良い面もあると思います。
しかし、脳卒中後、繰り返し同じ動作を行うこと自体が、脳の中の神経を効率よく働かせるための変化につながるの、何回も何回も頑張ることが大切なのです。
使用依存的可塑性(use dependent plasticity)と言って、何回も繰り返して行う訓練は、機能回復の神経メカニズムの基盤であることがわかっています。
同じ動作を繰り返し練習することで、特定の役割を持つ神経細胞が繰り返し活動して、同じパターンの活動がつぎに起こりやすくなるという現象です。
点字を使う方や、細かい動きを必要とする管弦楽器奏者の方の脳では、手指に関する領野が大きいこともわかっています。
使えば使うほど、動きに関する脳の領野が大きくなるということです。
脳卒中後、ダメージを受けて死滅した神経細胞自体が元に戻ることは困難ですが、周りの神経細胞が肩代わりしたり、神経細胞同士のつながりが強化されることがわかっています。
繰り返しの運動や動作練習は飽きてしまうこともあるかと思いますが、脳内の変化に関わるんだと思って、リハビリを頑張っていただきたいなと考えています。
引用・参考
1)牛場 潤一:リハビリテーション神経科学が医療を創る.理学療法学 第42巻第8号 2015
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/42/8/42_42-8_118/_pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年5月30日のブログより転載させていただきました。