佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
さまざまな問題が起こったときや新たな目標を立てようと思ったとき、どんな風に解決したらよいのかわからないときがありませんか。
問題を解決したいなと思うとき、わたしは「目標達成志向」という考えを用います。
「目標達成志向」は、論理的思考の中にふくまれ、「問い(問題・課題)」と「答え(回答)」をセットで考えていく方法です。
ポンポンと浮かんでいくことを考え続けていくと、考えがまとまりにくくなります。
目標達成志向では、何が目的であるか常に意識しながら、目的に合わせて考えをまとめていきます。
この思考の中で大切なことは、「目的」と「手段」を分けて考えることです。
今回は、考えが行き詰まったときや解決したいことがあるときの、目的と手段を分けて考えることについてしたためていきたいと思います。
目標を書き出してみる
脳卒中後にリハビリ支援を行う中で、患者さんと話し合う中で、目標がみえてきます。
はじめのうちは目標が具体的でないことがあったり、自宅退院というような一文になることもあります。
脳卒中後、すぐに明確な目標を考えることは難しく、現状がつかめるまで時間がかかることが多いでしょう。
しかし、日々はどんどん過ぎていき、入院中(医療保険内)にリハビリが行える日数の180日が近づいてきます。
ご自身の現状がつかみはじめた頃から、「あれもしなきゃ」「これはどうしよう」など頭がいっぱいになった方もいらっしゃったのではないでしょうか。
そんな時期にも、「リハビリの目標はどうしますか?」「何が一番困っていますか?」など尋ねられたかもしれません。
頭の中を整理するために、字が書ける状況で有ればノートなどに、字が書きにくい状況で有ればスマホのメモなどに、「やりたいこと」「困っていること」「達成したいこと」などを書き出してみましょう。
優先順位や達成できるかどうかは考えずに、頭に思い描いていることを書いてみます。
たくさん書き出した中で、共通していることがあるかもしれません。
たくさん書き出した中に、必要な目標があるかもしれません。
まずは、頭の中の考えがまとまっていない状況でしたら、たくさん書き出してみましょう。
目的と手段を分けてみる
書き出した「やりたいこと」「困っていること」「達成したいこと」の中から「目標」が見出せたら、その目標の目的を考えてみます。
例えば、目標が「自宅退院」だと見えたとしましょう。
そして、「自宅退院」の「目的」を考えてみます。
目的は人それぞれです。
自宅退院の目的は、
✔️ 自営業再開するため
✔️ 家族が待っているから
✔️ 早く退院したいから
などあるでしょう。
このように考えたとき、深掘りして目的を具体的に考えていきます。
□ 今までと同じスタイルで自営業を再開する
□ 家族のために家事ができる状態で退院する
□ 家で生活ができればいい
など、考えが出てくるかもしれません。
目標や目的が具体的に見えてくると、次に手段を考えます。
「家族のために家事ができる状態で退院する」という目標や目的があがったとしましょう。
この内容をどのように達成させるか具体的に考えていくには、手段を明確にすることが大切です。
◆ 移動手段は伝い歩きか杖歩行状態で家事全般できる
◆ 椅子に座った状態と伝い歩きの組み合わせで台所仕事ができる
このように手段を考えます。
手段を簡単にいうと、方法ですね。
どのような方法で、目標や目的を達成させるのかという内容が手段にあたります。
リハビリでは、この手段に焦点をあてて、具体的なリハビリ内容を決めていきます。
最後に
今回は、目的と手段を分けて考えることについてしたためました。
脳卒中後、さまざまなことを考えていかなければならず、心がついていきにくくなることもあると思います。
目標や目的など頭に思い浮かんでも、なかなか消化しきれないこともあるかもしれません。
この内容を読んで、少しでも心が軽くなっていただけると幸いです。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年10月2日のブログより転載させていただきました。