佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、救急病院に入院して、その後は回復期リハビリテーション病棟へ入棟して、自宅退院や施設に入所するという流れのイメージは一般的に浸透してきているかなと思います。
脳卒中による脳のダメージが大きかったり、脳卒中の症状が重度であると、ご自宅での生活が困難となり施設へ入所する場合もあります。
脳卒中後の入院でのリハビリが終了して、ご自宅に退院した後は、リハビリを継続する必要がある方、ない方がいらっしゃいます。
退院後にリハビリが必要な場合は、退院する前にカンファレンスなどで話し合いを持ち、本人やご家族の意向を汲み取りながら、医療相談員などが退院後のリハビリ先を紹介します。
今回は、退院後、リハビリが行える場所についてご紹介していきます。
医療保険を使ったリハビリ
外来リハビリ
脳卒中発症後180日に満たない場合は、外来でのリハビリ実施が可能です。
脳卒中発症後180日を超えると、1カ月あたりの外来リハビリの回数制限がかかります。
脳卒中発症後180日を超えた後での外来リハビリは、1カ月13単位(1単位20分)のみの実施です。
外来リハビリは、介護保険をお持ちでない場合に利用できます(一部併用が可能)。
外来リハビリでは、13単位のリハビリを行なっていない病院もありますので、各病院にお問合せください。
訪問リハビリ
通院によるリハビリ実施が困難で、医師がリハビリの必要性があると認めた場合、ご自宅でリハビリを受けられる訪問リハビリがあります。
医療保険での訪問リハビリは、介護保険をお持ちの場合は利用できません。
介護保険を使ったリハビリ
デイケア 介護保険をお持ちの場合、ご自宅から施設への送迎や施設利用中に入浴なども行える通うタイプのリハビリサービスがあります。
デイケアは、法律上で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が配置された施設です。
数時間のデイケア利用中に、その施設で決められたリハビリ実施時間の中で個別的なリハビリを行います。
施設によっては、トレーニングマシンが充実していると、個別的なリハビリだけではなく、マシントレーニングが受けられます。
デイサービス デイサービスは、デイケアと同様に、介護保険をお持ちの場合に利用できる施設です。
ご自宅から施設の車で送迎してもらい、施設利用中にリハビリを行います。
デイサービスは、デイケアと異なり、法律上で理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の配置義務はありません。
機能訓練指導士の資格をとった看護師などがリハビリメニューを組み立てますが、近年ではデイサービスで勤務する理学療法士などが増えてきていますので、デイケアとデイサービスの明確な違いがわかりにくくなっています。
訪問リハビリ
デイケアなどの通うタイプのリハビリ実施が困難で、医師がリハビリの必要性があると認めた場合、ご自宅でリハビリを受けられる訪問リハビリがあります。
デイケアやデイサービスなどでの集団で過ごすことが苦手な方や、自宅での動きの改善に重きを置いている場合に、訪問リハビリを利用する方が多い印象です。
保険を使わないリハビリ
自費リハビリ 医療保険や介護保険を利用せずに行うリハビリです。
保険を使わないので、脳卒中発症後180日経っても、1カ月あたりの回数制限はありません。
医療保険や介護保険では、法律で定めらた金額の1割〜3割を病院や施設に払いますが、自費リハビリでは全額自己負担になります。
保険を利用しないリハビリに比べると金額が高くなりますが、個別性が高いリハビリやリハビリ機器が充実している施設が多い印象です。
最後に
今回は、退院後にリハビリができる場所についてまとめました。
お役に立てると幸いです。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2022年10月17日のブログより転載させていただきました。