你能建立信任关系吗?

信頼関係を築くことができているのか?

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中は、予測して起こるものではなく、急に病状が出現して、患者さんにとっては何が起こったかわからない状態の日が続くことが少なくありません。


入院して日にちが過ぎると同時に、自分の体に何がおこったのか、現在どういう状態なのかわかるにつれて、ますます気持ちが落ち込んでしまうことも。


しかし、こころと体が整わない状況に合っても、リハビリテーションは開始されます。


リハビリを進めるに当たっては、患者さんのこころの状態を把握しながら、信頼関係を築いていくことが、リハビリスタッフには求められます。


患者さんとリハビリスタッフとの信頼関係の形成は、大切であることはわかっていても、なかなか普段のリハビリ現場では、現在の信頼関係がどのような状態であるか明らかにしないまま時間が経つことが多いのではないでしょうか。


今回は、信頼関係について記していきたいと思います。


信頼関係を形成するプロセス


先行研究において、リハビリスタッフへのインタビューから信頼関係の形成に関わるプロセスを生成した報告があります。


この報告では、患者さんとリハビリスタッフとの信頼関係の形成やその形成を導く心構えや態度に関する10の概念が生成されています。


信頼関係の形成を導く10の基本的姿勢


✔ 他者に感心を持ち関係形成に望む姿勢


① 関係重視の姿勢


② 無知の姿勢


③ 興味を持つ姿勢


✔ 対等に接する姿勢


④包括的かつ非審判的な姿勢


⑤ 平等な姿勢


⑥責任を持つ姿勢


✔ 関係を強化するための姿勢


⑦ 尊重かつ寛容な姿勢


⑧ 対象者中心の姿勢


⑨ 情熱的な姿勢


⑩ 模索と工夫の吟味の姿勢


コンフリクト・マネジメント


コンフリクトとは、「意見や利害の衝突、葛藤、対立、紛争、軋轢、緊張」などと訳され、医療の現場では患者さんやご家族との認識の食い違いとして訳されることも多く、医療のさまざまな場面で乗り越えていくことが求められます。


コンフリクトを成長の機会(経験から学ぶ)として、問題関係を図ろうとする考え方が「コンフリクト・マネジメント」です。


コンフリクトの対処方法


①競争


権力や圧力により自分の意見を強制する


強制された側は否定的な感情を生じやすい


②受容


相手の意見や要求を優先して従う


受容した側は満たされない感情が生じやすい


③妥協


双方の意見から妥協点を探る


双方とも不満が残り、発展的になりにくい


④回避


双方が先延ばし、現実逃避


問題から逃げることで双方とも満足しない


⑤協調


双方の意見や利益を尊重し、Win-Winとなる解決


前向きに考える


患者さん側からの意見


信頼関係に関する研究報告は多いのですが、患者さん側から医療者側と信頼関係を築くことができていると感じたかなどの報告は少ない印象です。


その中でも、看護分野での研究が散見され、信頼関係に関する内容として、


「その看護師が悩みをよく聴いてわかってくれる」


「その看護師は誰にでも気軽に質問できる」


「その看護師には話をするだけで、気分がよくなる」


など言語化されたものがありました。


また、患者さん側が看護の介入などについて評価する尺度の開発に関する報告もありました。


患者さんが看護の介入などについての評価内容には、「看護師は、あなたの病気や治療に必要な情報を提供してる」や「看護師は、あなたの体験や気持ちを理解している」などの項目について、4段階の評価を行うものでした。


最後に


今回は、信頼関係について記しました。


リハビリスタッフ側からの視点の資料や報告は複数あるのですが、患者さん側からリハビリスタッフとの信頼関係について、どのように思っているかなどの報告を探し出せませんでした。


信頼関係をつくるポイントや、信頼関係に関わる書物から、リハビリスタッフは信頼関係をつくることができたと思っても、患者さんも同じような気持ちを抱いているかはわからないなと思っています。


これからも、患者さんと信頼関係をつくることができているか、学び続けなければならないと思っています。


引用・参考
1)篠原 和也 他:リハビリテーションセラピストが対象者と信頼関係を 形成する行為のプロセスに関する質的研究.The Journal of Japan Academy of Health Sciences p.48~57

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsaiih/24/1/24_48/_pdf


2)公益社団法人 日本理学療法士協会:前期研修 人間関係および接遇(配布資料)


3)高田 幸千代:医療メディエーションの看護・管理場面での活用.IRYOU Vol.66 No.10 2012


4)安藤 哲朗:明日から役立つ医療安全 神経内科診療に役立つ メディエーションモデル.臨床神経 2011;51:827-829

https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/051110827.pdf


5)古屋 健:看護ケアに対患者満足度尺度の研究動向.立正大学心理学研究年報 第12号


6)福武 まゆみ 他:患者の看護介入評価を測定する尺度の信頼性・妥当性の検討.川崎医療福祉学会誌 Vol. 25 No. 2 2016 259-267

https://i.kawasaki-m.ac.jp/mwsoc/journal/jp/2016-j25-2/P259-267_fukutake.pdf


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年3月8日のブログより転載させていただきました。

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