佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後、自宅退院してから履き慣れた室内用のスリッパを履いて歩こうとしたとき、うまく歩けなかった方がいらっしゃるのではないでしょうか。
また、脳卒中になる前はスリッパを履いて室内を歩いてもスリッパが脱げてしまうことがなかったのに、退院後は麻痺側のスリッパが脱げやすくなった方もいらっしゃると思います。
下の写真は、スリッパを履いているときと履いていないときのつま先の上がり具合を比較した写真です。
前側の足に着目してください。
スリッパを履いているとき、わずかですが足裏と床の角度が大きいことがわかると思います。
また、個人で異なりますが、わたしの場合は親指が強く反り返っているのがわかると思います。
裸足で歩くときより、スリッパを履いて歩いている時の方が、よりつま先をあげて歩く必要があり、疲れやすくなる方がいらっしゃると思います。
次に後側の足に着目してください。
後側の足で床を蹴って体を前に押し出すときは、スリッパの着用に関わらず、あまり足首の傾きは変わりません。
ただ、スリッパを履いていないときは足指でしっかり床を推していることがわかると思います。
歩くとき、後ろ側の足で床を押して体を前に進めるのですが、指でしっかり床を押す方がより強く体を前に進める力が生まれます。
しかし、スリッパを履いているときは、指で床をしっかり押し出すことができないので、前に進む力が弱くなり歩きにくくなる方が多いと思います。
最後に
今回は、何故、スリッパを履いて歩くことが難しいのかという点について記しました。
出典:Amazon
ご自宅に退院した後、病院で履いていた靴ではなく、スリッパを試したいと言われる方には、踵をカバーするタイプを選んでいただくことがあります。
入院しているときから、自宅でスリッパを履くことも想定してリハビリ内容を組み立てていきたいて思います。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年5月24日のブログより転載させていただきました。