中风的损伤血管不同,脑损伤的部位也不同

脳卒中はダメージを受ける血管が異なると脳のダメージを受ける場所も異なる

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中後、病院によって異なりますが、MRIの画像を用いてお体に出ている症状のことについて説明を受けたことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか。


場合によっては、MRIの主要な部分を印刷してもらって、説明の資料として持ち帰った方もいらっしゃるかもしれません。


自宅に退院した後や入院中に、脳卒中に関する資料に目を通したとき、ご自身の脳のダメージの部分と脳卒中のパンフレットなどに掲載されている脳のダメージの部分が異なっていることに気がついた方もいらっしゃるかもしれません。


脳卒中は、脳出血であれば脳の血管が破けて発症し、脳梗塞であれば脳の血管が詰まって発症します。


脳の血管ごとに脳のどの部位に血液を届けるか、おおよその区分が分けられています。


下のイラストは脳を水平に切った断面図に、血管ごとに脳の血液を届ける場所を色分けしているものです。


イラストの右半分が脳の血管ごとの血液を届ける場所の区分け、イラストの左半分が脳の主要な場所に呼び名をつけているものです。


オレンジ色(ACA)で区分けされている部分やオレンジに薄い赤色を重ねている部分は、前大脳動脈が血液を供給する場所で、前頭葉と頭頂葉の内側に当たります。


青色(MCA)で区分けされている部分は、中大脳動脈が血液を供給する場所で、側頭葉・前頭葉・頭頂葉など脳の2/3を占める場所に血液を供給しています。


青色で区分けされている中大脳動脈の部分は広範囲で、この血管のおおもとが詰まると、大きな脳梗塞となり体の動きや高次脳機能障害など多彩に出現し、重症化しやすいことがわかっています。


この青色の中大脳動脈は、脳梗塞の全体で60~70%ととても多くみられます。


赤色(PCA)で区分けされている部分は、後大脳動脈が血液を供給する場所で、側頭葉と後頭葉の内側にあたります。


出典:Stroke Rehabilitation Clinician Handbook 2020


脳出血は「視床出血(ししょうしゅっけつ)」と「被殻出血(ひかくしゅっけつ)」が多いことがわかっています。


視床出血は、上の図の赤色の部分の後大脳動脈の極めて細い血管が破れて発症します。


被殻出血は、上の図の青色の部分の中大脳動脈が破れて発症します。


脳の動脈は、縦横無尽に走っていますが、どの動脈が詰まったり破けたりするかでダメージを受ける脳の場所が異なります。


脳の解剖は難しいですが、脳卒中はダメージを受ける血管が異なると脳のダメージを受ける場所も異なるんだなと感じていただけたら幸いです。


引用・参考 1)EBRSR:Stroke Rehabilitation Clinician Handbook 2020

http://www.ebrsr.com/sites/default/files/Chapter%201_Clinical%20Consequences_0.pdf


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年4月23日のブログより転載させていただきました。

ブログに戻る