佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中後、手足が動きにくくなったり、言葉が出にくくなった方が多いのではないでしょうか。
また、リハビリのために入院しているとき、同じ時期に入院していた脳卒中後の方々も、手足の麻痺がある方が多かったのではないでしょうか。
脳卒中後の症状として、手足の麻痺が出ることは見聞きすることが多くイメージしやすいかもしれません。
脳卒中後の症状として、あまり知られていない症状はたくさんありますが、そのひとつに「視野障害」があります。
高次脳機能障害では、見えにくさや気づきにくさの症状として「半側空間無視」がありますが、この見えにくさは「空間を認識すること」の障害で視野には問題はありません。
脳卒中後の「視野障害」は、空間の認識障害ではなく、視野そのものが障害されます。
今回は、脳卒中後の視野障害について記していきたいと思います。
視野とは
出典:有効視野の特性とその測定手法
視野とは、一般的に目を動かさずに見ることができる範囲のことを言います。
その範囲は水平方向に200度、垂直方向に130度程度です。
脳内の視野に関する経路
出典:高次脳機能の解剖学的基礎
何かものや風景を見た時、網膜に視覚情報が入力され、左右の目の網膜の情報がそれぞれ後頭葉に伝えられます。
後頭葉には、左右の網膜の情報が伝えられますが、片目の右側と左側はそれぞれ左右の後頭葉に分かれて伝わります。
脳卒中後の視野障害
脳卒中後、視野欠損障害が出現する方は20%〜57%だと言われています。
その中でも、同名半盲(どうめいはんもう)は、右目も左目もどちらとも右もしくは左側が見えない状態です。
半側空間無視と異なり、患者さん本人は同名半盲のための見えにくさを自覚していることが多いです。
最後に
今回は、脳卒中後の視野障害についてまとめました。
高次脳機能障害のひとつである、半側空間無視と異なり脳卒中後の視野障害は自覚していることが多いので、リハビリの中で周辺をしっかり見渡して行動していただくようにしています。
視野障害についても、しっかり把握していきたいと思います。
引用・参考
1) 有効視野の特性とその測定手法.2013
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/42-09-kougakukoubou.pdf
2) 高次脳機能の解剖学的基礎
http://www1.odn.ne.jp/~aag13140/chap3.pdf
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年4月9日のブログより転載させていただきました。