丘脑出血

視床出血

佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。


脳卒中は大きく「脳出血」と「脳梗塞」に分けられます。


そのうちの「脳出血」は、さまざまな原因で起こりますが、大部分は「高血圧」が原因で起こり、出血しやすい部分の血管が破けて発症します。


「脳出血」では、


✔ 被殻出血:約60%


✔ 視床出血:約15%(30~35%という報告もある)


✔ 小脳出血:約10%


✔ 橋出血:約5~10%


と言う割合で発症部位が報告されています。


今回はその中でも「視床出血」についてまとめていきたいと思います。


視床出血とは


脳出血の好発部位の第2の高血圧性脳出血で、視床の解剖学的構造や出血の広がり方などの違いから、さまざまな症状を呈します。


視床出血は、出血部位や拡がり方の方向により、CTの分類が示されています。


▼ 視床出血のCT分類

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Ⅰa:視床に限局し、脳室穿破を伴わないもの


Ⅰb:視床に限局し、脳室穿破を伴うもの


Ⅱa:内包へ伸展し、脳室穿破を伴わないもの


Ⅱb:内包へ伸展し、脳室穿破を伴うもの


Ⅲa:視床下部または中脳に伸展し、脳室穿破を伴わないもの


Ⅲb:視床下部または中脳に伸展し、脳室穿破を伴うもの

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出典:視床出血の予後について


視床出血は、上記のCT分類や出血量など別に追跡調査している資料が多く、病院を退院するときの大まかな日常生活動作の予後を知ることができます。


視床出血の症状


出典:視床出血の臨床症状と障害部位の検討


視床は、脳内において、さまざまな機能の中継地としての役割を持つため、数多くの症状が出現する可能性があります。


代表的な症状は、「視床痛」です。


視床痛は、麻痺側の手足の痛みや痺れ感が出現します。


また、視床出血では、「感覚麻痺」「運動麻痺」「意識障がい」が出現する場合があります。


最後に


今回は視床出血について簡単にまとめました。


脳は肝臓や腎臓とは異なり、複数の役割を持っていて、脳にダメージが起こると、ダメージを受けた部分の脳が働きにくくなります。


脳卒中後の症状は、おひとりおひとり似ている部分があるかもしれませんが、一般的には異なる症状が出現することが多いです。


脳卒中後のリハビリ支援を行うときは、一般的な事項を押さえながら、おひとりおひとりに合わせたサポートをしていきたいと思っています。


引用・参考
1)飯星 智史 他:視床出血の臨床症状と障害部位の検討.函医誌 第30巻 第1号 2006

https://sapmed.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7710&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1


2)静 雅彦 他:視床出血-CT上の血腫の拡がりと臨床症状の解析-.脳卒中 2:255-261,1980


3) 山元 敏正 他:視床出血の予後について. 脳卒中 13巻2号 (1991 :4)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke1979/13/2/13_2_99/_pdf/-char/ja


☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆

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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年2月4日のブログより転載させていただきました。

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