佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後の入院直後、今まで使い慣れていた湯飲みやコップが使いにくくなって、ストローを用いている方もいらっしゃると思います。
脳卒中後、食べること・飲むことができにくくなる「嚥下障害(えんげしょうがい)」がある場合、コップでお茶などを飲むとむせるけれども、ストローでお茶を飲むとむせないことがあります。
コップで飲むときと、ストローで飲むときはさまざまな違いがあります。
① コップよりストローの方が一口量が少ない
② コップで飲むときは首を後ろに傾ける必要があるが、ストローでは傾ける必要がない
③ コップよりストローで飲むときは、口のまわりの筋肉の活動がより必要
④ コップで飲むときとストローで飲むときでは呼吸のパターンが異なる
入院中や外来通院中では、食べること・飲み込むことが難しくなると、医師の判断でVFやVEというレントゲン室で行う検査をする場合があります。
この検査では、食べたものがどのように飲み込むことが出来るかなどをチェックすることが出来ます。
検査や飲み込みに関係する筋肉などの状態、実際の食事場面で、おひとりおひとりの嚥下機能を把握していきます。
座位が安定せず胴体がぐらつく場合、首を後ろに傾けることが困難になるので、ストローを用いることがあります。
しかし、口の周りの筋肉が働きにくくなると、ストローで水分を吸いにくくなることがあるので、ストローは万全ではありません。
ストローとコップの違いを知り、できるだけ医師・言語聴覚士・看護師の指導を仰ぎながら、ご自身の状態に合わせてストローを使うかコップだけ使うかを決めていただければと思います。
今はオンラインでさまざまなな飲みやすいコップやストロー付き容器が売っていますが、看護師や言語聴覚士などに相談してから購入していただく必要があると思っています。
介護用品・福祉用具通販のフランスベッド ホームケア全科オンライン
https://medical.francebed.co.jp/kaigoyouhinonline/item/80606200.html
食事用具・食器類 : 家事用具
https://my.abilities.jp/kajiyougu/shokki/
安心・安全に食事が楽しめるように、ご自身の飲み込みの状態を把握していただけると幸いです。
引用・参考
1) 平田 文 他:飲水時の舌と口蓋の接触観察:ストローとコップの 違いに着目して.日摂食嚥下リハ会誌 24(3):258–265, 2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdr/24/3/24_258/_pdf/-char/ja
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年8月16日のブログより転載させていただきました。