佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
昨日は、「浴槽のお湯につかる時、麻痺側の足が浮きませんか?」と題してしたためました。
https://ameblo.jp/aoi19780728/entry-12871545958.html
脳卒中後、リハビリが進んでいく中で、一人でお風呂に入る練習をした方がいらっしゃると思います。
しかし、病院の構造から一人用のお風呂がない病院に入院していた方がいらっしゃれば、なかなか一人でお風呂に入る練習をする機会がなかったかもしれません。
脳卒中後の麻痺が軽かったり、麻痺がなかったとしても、自宅退院後の初めてのお風呂ではチェックした方がよいと思う事柄があります。
以下は、おひとりでお風呂に入ることを想定したチェック事項です。
✔️ 着替えは立って行えるか?
・立った状態で着替えることが難しい場合、脱衣所に椅子を置くことをおすすめします。
✔️ 段差を超える時、何もつかまらなくても安全に越えることができるか?
・一般的な浴室では、脱衣所と浴室に段差があります。段差を越える時、おひとりで段差を超えることが出来るかチェックが必要です。このことは出来るだけ入院中にリハビリのスタッフなどとともにチェックした方がよいと思います。
・段差をおひとりで超えることが難しい場合、どなたかの見守りが必要であったり、手すりなども設置を考える必要があります。
✔️ 体を洗うときに腰掛ける椅子があるか?腰掛ける椅子の高さは適切か?
・今までの生活スタイルとして、浴室の床に直に座って体を洗っていた方がいらっしゃると思います。脳卒中後、麻痺が軽かったり、麻痺がなかったとしても床から立ち上がったり座ったりは難しいことがあります。その場合は、浴室用の椅子を置くことをおすすめします。
・浴室用の椅子がある場合、座る面が低い椅子であれば、立ったり座ったりすることが難しくなる場合があります。介護用の浴室椅子があれば安心です。介護用の浴室用の椅子は介護保険での購入対象です。必要な場合は、ケアマネジャーにご相談ください。
✔️ 体を洗うとき、両手で洗体用のタオルをつかめるか?
・麻痺があり、ものがつかみにくかったり肩を後ろにまわしにくい場合、今まで使っていた洗体用のタオルが使いにくいことがあります。
・ループ付きタオル、取っ手がついているボディブラシなど体を洗うための道具を検討した方がいい場合があります。
✔️ 浴槽の出入りが安全に行えて、湯に体をしずめることが出来るか?
・お風呂に入る時、もっとも難しい動作は浴槽への出入りです。これは出来るだけ入院中に確かめておく必要があります。
・おひとりで浴槽の出入りが難しかったり、湯に体をしずめることが安全にできない場合は、「どなたかと一緒に入る」「福祉用具を検討する」「シャワー浴にする」などを検討することが必要です。
✔️ お風呂に入った後、バスタオルで体を拭くことができるか?
・脳卒中後に麻痺がある場合、反対の手で麻痺側の腕などを拭くことができますが、麻痺手でバスタオルを持って反対側の腕を拭くことが難しいことが多いです。
・服のような形のバスタオルを利用したり、椅子にバスタオルを敷き体をこすりつけるように拭くなどの対応が必要な場合があります。
以上、お風呂に入る前にチェックしたいことを挙げました。
みなさんのお役に立てれば幸いです。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年10月18日のブログより転載させていただきました。