佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
脳卒中後のリハビリについて作業療法士としての視点で支援していくとき、日常生活場面の課題を目標にしていくことが多いです。
もちろん、脳卒中発症直後や麻痺手の機能回復を進める時期は、少しでも麻痺手が動くようなリハビリを組み立てていくことがあります。
日常生活場面の課題を目標にしていくとき、具体的な日常生活場面を設定して達成したいことを患者さんと話し合っていきます。
高次脳機能障害や意識障害がある場合、患者さんがご自身のお気持ちを伝えることができないこともあるため、患者さんが一番早く達成したいことが多いトイレ動作に関わるリハビリ内容を組み立てていくこともあります。
日常生活場面の課題を目標として麻痺手のリハビリを行なっていく代表的な考えに「課題指向型アプローチ」があります。
https://ameblo.jp/aoi19780728/entry-12836323142.html
https://ameblo.jp/aoi19780728/entry-12739586203.html
課題指向型アプローチは行動心理学的理論を含んでいるので、動機づけを向上させたり意欲を増進させて目標の達成を目指します。
例えば、『ブロックを積み上げる練習で楽に手が上がるようになったら、目標としている洗濯物を干すことができそうだな』と自分自身の変化に確信を持つことができ、行動に変化を与えます。
課題指向型アプローチを構成する要素にはさまざまものがありますが、私が大切だと思っている点は以下の2つです。
① 目標のない、単一関節の単純な運動は行わない
例えば、ただ単に肘の曲げ伸ばしだけを行うというわけではないということです。
肘の曲げ伸ばしが要求されるような雑巾がけや輪投げ移動など道具を使って動きを促進していくのです。
② 患者さんの価値観を大切にして、患者さんの経験や知識を活かした目標を目指す
例えば、患者さんが今まで大切にしてきたエプロンを着たいという目標があるのに、楽に着ることができる別のエプロンを着るような練習や目標を決めていくわけではないということです。
このように、より具体的に、明確な目標を設定しながら、日常生活場面の課題を目標にしたリハビリを行っています。
患者さんの価値観や目標は、おひとりおひとり異なります。
リハビリスタッフだけでものごとを決めるのではなく、患者さんとしっかり双方向に話を行いながら、よりよいリハビリが行えるように精進したいと思います。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2024年2月25日のブログより転載させていただきました。