佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の
橋間葵です。
これまでのリハビリ支援の中で、「患者さんの気持ちを理解しましょう」という言葉を幾度となく見聞きしています。
ある患者さんから、「同じ病気になったことがない人からわかりますと言われてもわからないだろうと思うんですよね。」という内容のお気持ちをお寄せいただいたことがあります。
この経験があるので、わたしは患者さんのリハビリ支援の中で「あなたのお気持ちはよくわかります」という言葉を使わなくなりました。
その代わり、「同じ病気や障害の体験をしていないので、あなたの気持ちを理解できますとは簡単には言えません。しかし、100ある気持ちのうち1つでもわかろうとする努力をします」という内容を伝えるようになりました。
リハビリ支援においては、患者さんとともに同じ方向を向いて進むためにはさまざまな困難に直面します。
「理解」することについてさまざまな思いを巡らせますが、「尊重」することについても思いを巡らせています。
尊重とは、相手の存在や価値や思いを認めることです。
リハビリ支援の中では、患者さんが大切にしたいこと、優先したいことなどについて双方向のコミュニケーションを通して把握していきます。
把握した内容を織り交ぜながら、リハビリ計画を立てていきます。
一方、理解とは、相手の気持ちをくみとり、共感することです。
また、相手の立場に立って、相手の気持ちを受け入れることです。
リハビリは、患者さんの意思が尊重され、さまざまなリハビリ方法や目的を患者さんが自由に選択できることが大切です。
脳卒中後のリハビリ支援では、リハビリ支援で用いる技術やコンセプトが取り上げられることが多いのですが、患者さんの思いを尊重し、思いの理解を深めることもとても大切なことだと思っています。
リハビリ技術はもちろんですが、人としてどのように振る舞い、コミュニケーションを図るかについても学んでいきたいと思っています。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆
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この文章は、橋間葵さんブログ「脳卒中リハビリよろず屋相談所」2023年6月11日のブログより転載させていただきました。